【どう見るこの相場】日経平均株価、乱高下の大発会相場は今年前半相場を象徴する展開
- 2015/1/5 15:03
- どう見るこの相場
<Q>2015年の大発会は大きく下げたあと急速に戻しているようだが。
<A>日本のマーケットが休みだった昨年暮れ31日のNYダウが160ドル安と大きく下げていたことから大発会の日経平均は、一時、231円安までツレ安の形で下げた。売り一巡後は後場、前日比90円高と反発している。
<Q>依然、日本株はNYダウ次第の展開だが、そのNYダウは底が入ったのか。
<A>NYダウは12月中旬に7連騰して、この間、約985ドル上昇している。このときの疲労感は残っているものとみられる。まだ、下値は予想されるが、12月16日の安値1万7067ドルを下回るようなことはないだろう。ここからは値幅調整より日柄の調整が必要と思われる。
<Q>休みの間にギリシャ問題が浮上しているが心配ないか。
<A>ギリシャは昨年暮れに大統領を選ぶことができず1月25日に総選挙が行われることになった。仮に、緊縮政策に反対する勢力が勝てば、ギリシャの金融不安がユーロ圏に拡大することが懸念されている。ただ、ユーロ圏の中心的存在のドイツはギリシャがユーロから脱退することがあっても引き止めないという主旨の発言をしている。ギリシャ以外のユーロ諸国は財政改善が進みギリシャの影響は拡大せず、むしろ、財政改善の意思のないギリシャには圏外に出て行ってもらってけっこうということのようだ。こういうドイツの動きからも欧州発の金融不安はかつてのような大きいものにはならないと思われる。心配ないだろう。
<Q>中国でも不動産会社のデフォルトがあったようだが。
<A>不動産会社が、不動産の販売不振から約5100万ドルの返済ができなかったと報道されている。中国は従来の高成長から経済成長率を7%ていどの巡航速度を目指した政策を進めている。以前は10%前後の高成長だったものが7%ていどへ低下すれば、当然、不動産などに影響の出ることは承知の上で舵取りをやっていると思われる。世界マネーから見れば中国不動産の下落は織込み済みとみられる。
<Q>アメリカには影響ないということか。
<A>足の速いマネーは、既に中国だけでなく新興国からは逃げているはずだ。もちろん、いつまでも新興国や欧州の経済が停滞すれば、いずれアメリカ経済にも悪影響が予想されるが、今のアメリカ経済は好調で世界で独り勝ち状態でNYダウもこれを背景に基調は強いといえる。中期的にはアメリカの景気が好調な間に欧州、日本、新興国などの景気が上向くかどうかがポイントといえる。
<Q>日本株の見通しは。
<A>5日の大発会は2015年の1年を象徴した動きと見ることもできそうだ。日本の場合、アメリカのように景気が好調ではないが、安倍政権の安定とアベノミクスで景気を上向かせようという強い意志が働いていることがある。このため、日経平均の下値に対する抵抗力はあるといえる。ただ、景気を持ち上げる意思が形として現れるかどうかは今の時点では見極め難いため日経平均が一気に上値を追うことは難しい。この結果、今日のような上げ下げの激しい展開となってしまう。少なくとも今年前半は1万6500~1万8000円のモミ合いが予想されそうだ。