【話題株】安値更新のメガバンク株は配当利回り向上に魅力増す、「マイナス金利」の「副作用」を逆手に取る

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 一説では「劇薬」とも言われる「マイナス金利」の導入。日銀が1月29日の昼過ぎに発表した日本で初めてのマイナス金利政策は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(三菱UFJFG)<8306>(東1・売買単位100株)三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1・売買単位100株)みずほフィナンシャルグループ<8411>(東1・売買単位100株)が2月1日にかけて2日連続で昨年来の安値を更新するなど、全体相場が大幅続伸となる中で早速「副作用」を現わす形になった。

 ただ、これらのメガバンク各銘柄は、3月期末の配当利回りが1.4%前後と高めで流通性も豊富(売り買いしやすい)。配当利回りは安く買うほど高くなるわけで、配当重視の投資家にとっては、下げ場面をうまくとらえれば結構ウマい利回り投資の好機が到来しつつある可能性がある。

 今回の「マイナス金利」は、民間銀行が日銀に一定規模の預金を義務付けられている「当座預金」の一部にマイナス金利を適用するというもので、いわば、おカネを預けて利息がつくのではなく、逆に保管料のようなものを徴収される形になる。

 また、資金運用での運用利回り低下が予想され、運用難の結果、一段と低利回りの国債を購入するような場合は、将来的な値下がりの可能性が増してリスク負担が増えることになる。大手銀行株の連日安値は、いわば、こうした状況を先取るものといっていい。

 メガバンク各銘柄がどこまで安値を更新するかは、不肖、当コーナー担当者には分からないが、「相場は半歩先をいくべし」といったジンクスを参考にすると、今はまさに先取っているところといえる。下げるほどに利回り妙味が高まるため、遠くない段階で「利回り妙味」という「下値のカンヌキ」が掛かってくると予想される。3月下旬まではまだ十分に日柄がある。

 なお、伊藤忠商事<8001>(東1・売買単位100株)などの大手商社株も比較的利回り妙味は高い。最近は資源価格安が相場の売り材料として陳腐化し、影響力が低下。逆に「マイナス金利」は借入れ金の多い商社株に追い風とされて株価が軒並み回復している。

 マイナス金利政策は、長期金利低下による年金資金の運用成績の悪化を招く可能性もあり、シニア世代の消費を押し下げるリスクもある。

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