【編集長の視点】ロゼッタは3Q高利益進捗率業績を見直し業績上ぶれ期待を高めて続急伸

編集長の視点

 ロゼッタ<6182>(東マ)は、寄り付きの33円安から切り返し、60円高の1440円と続急伸している。同社株は、今年1月21日につけた株式分割権利落ち後安値1124円から底上げ途上にあり、きょう2日の日経平均株価が、前日の米国株安を受け180円安と反落してスタートしていることから、いったん目先の利益確定売り物に押されたが、すかさず買い直されるなど逆行高を鮮明化している。同社が、今年1月4日に発表した今2月期第3四半期(3Q)決算は、大幅増収増益となって昨年11月の新規株式公開(IPO)時に予想した2月通期業績をほぼ100%クリアして着地しており、これを手掛かりとして通期業績の上ぶれ期待を高めて直近IPO株買いが下値に続いている。同社の初値倍率は、5.33倍と昨年IPOされた92銘柄のなかでトップとなっており、株式分割により手掛けやすい株価水準になったことも買い材料視されている。

■MT事業、GLOZE事業の各売り上げはすでに前期年間実績を超える

 同社のIPO後の初決算となった今期3Q業績は、売り上げ12億5800万円、営業利益1億9000万円、経常利益1億7300万円、純利益1億2100万円で着地した。前年同期に比べ実質では19%増収、85%営業増益、67%経常増益、84%純益増益と大きく伸び、2月通期予想業績に対する進捗率は、売り上げが81%と目安の75%を上回り、営業利益は98%、経常利益は99%、純利益は98%と9カ月実績で年間業績をほぼクリアした。導入実績が1500社に達するインターネットと人工知能(AI)を融合した自動翻訳を展開するMT事業の売り上げが2億円、翻訳支援ツールを活用した受託翻訳サービスのGLOZE事業の売り上げも2億6300万円とそれぞれ前期の1年間の実績を超え、セグメント利益も今期通期予想利益に対して高進捗したことなどが要因となった。

 今2月期通期業績は、IPO時の予想を据え置き、売り上げ15億6300万円(前期比11.5%増)、営業利益1億9300万円(同49.3%増)、経常利益1億7500万円(同33.6%増)、純利益1億2500万円(同32.7%増)と見込んでいるが、3Q高進捗率から期末にかけて上ぶれ期待を高める展開が想定される。

■昨年年間トップの初値倍率5倍超も買い材料にまず分割落ち後高値奪回が有望

 株価は、公開価格695円に対して3705円で初値をつけ、この初値倍率5.33倍は昨年のIPO株でトップとなり、上場来高値4990円まで買い進まれた。しかも、その後も昨年12月31日を基準日とする株式分割(1対2)、今年1月4日の今期3Q好決算と好材料の発表が続き、2558円で分割権利を落とし、3Q好決算を評価して分割権利落ち後高値1760円と上ぶれたものの、世界同時株安の波及で落ち後安値1124円へ調整、底上げを窺ってきた。業績上ぶれ期待を高め、まず権利落ち高値を奪回しさらにリバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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