【株式評論家の視点】ミズホメディーは昨年12月上場、免疫学的検査用試薬の大手、インフルエンザ検査薬が急増

株式評論家の視点

 ミズホメディー<4595>(JQS)は、昨年12月17日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場した。主に医家向けにインフルエンザウイルス抗原検出試薬、アデノウイルス抗原検出試薬、HBs抗原検出試薬、HBs抗体検出試薬、抗トレポネーマ抗体検出試薬、ヘリコバクターピロリ抗体検出試薬、妊娠診断用補助試薬(HCG検出試薬)といった免疫学的検査用試薬のほか、一般検査用薬、生化学検査用試薬などを取り扱っている。加えて。一般向け検査薬や農業分野向け検査薬も取り扱っている。

 体外診断用医薬品業界においては、少子高齢化が進行するなか、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどの感染症の集団発生により、国民の医療への期待は「治療」から「予防」へとシフトしている。医療現場においても、早期診断・早期治療の重要性の認識は高まっており、特に感染症分野では小児・老人医療における感染拡大の防止や院内感染の予防対策など、早期治療に有用な検査が求められている。このような環境のなか、同社は、医療現場からのニーズに応えるため、新技術や新製品の開発を推進するとともに、主力製品や新製品の売上拡大に注力している。

 前2015年12期第3四半期業績実績は、売上高が26億1400万円、営業利益が8200万円、経常利益が7900万円、純利益が4100万円に着地。

 前15年12月期業績予想は、売上高が41億0500万円(前期比3.0%増)、営業利益が3億20000万円(同31.1%減)、経常利益が3億1000万円(同32.3%減)、純利益が2億0400万円(同35.4%減)を見込んでいる。年間配当は27円を予定している。

 第3四半期において、前期においてインフルエンザの流行が例年より3週間ほど早く始まり昨年1月にピークを迎えたことから、市場においてインフルエンザ検査薬が品薄状態となったが、同社は、この状況に迅速かつ柔軟に対応し製品の供給を継続できたことから、当検査薬の売上高が急伸。第4四半期に入り、インフルエンザはシーズンの流行期を迎えているが、各医薬品卸及び製薬メーカー等の提携先からのインフルエンザ検査薬の受注状況は、計画通りに着実に推移しており、通期業績予想は達成できる見通し。

 株価は、上場2日目の昨年12月18日に上場来の高値3200円と買われた後、本年1月6日につけた上場来の安値1661円まで調整を挟んで1月18日高値2360円と上昇。1月20日安値1680円と売り直されて下値もみ合いとなっている。インフルエンザのシーズン流行期入りで、折に触れ同社が見直される可能性はある。目先1800円割れが下値として意識された感があり、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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