【編集長の視点】インベスターズクラウドはストップ高と急反発、業績上方修正・増配を歓迎し上昇第3波に再々発進
- 2016/2/8 10:01
- 編集長の視点
インベスターズクラウド<1435>(東マ)は、寄り付きから買い気配値を切り上げ1000円高の6890円とストップ高まで買い進まれ反発をしている。前週末5日大引け後に2016年12月期業績の上方修正と期末の上場記念配当の増配を発表、純利益が、連続して大幅に過去最高を更新することを評価して直近IPO(新規株式公開)株買いが再燃している。同社株は、昨年12月に相次いで外国人旅行者向けの「民泊」関連の新サービスの開始を発表して合計4日間のストップ高を演じ、今年1月29日には日銀がマイナス金利導入の追加金融緩和策を決定したことに関連して3日連続のストップ高をしており、今度は業績増額と増配で上昇第3波に発進するとの期待を高めている。さらにきのう7日から春節(旧正月)休暇入りとなっており、インバウンド(外国人旅行客)の大挙訪日思惑から「民泊」関連株買いも交錯している。
■第4四半期のアパート受注棟数が想定を上回り期末に上場記念配当5円上乗せ
2016年12月期業績は、昨年12月のIPO時予想より売り上げを15億3500万円、経常利益を4億5100万円、純利益を2億9600万円それぞれ引き上げ、売り上げ215億1000万円(前々期比47.1%増)、経常利益18億8000万円(同99.7%増)、純利益11億2500万円(同2.03倍)とし、純利益は、前期の過去最高を大幅更新する。同社は、アパート経営プラットフォーム「TATERU」を開発・運用し、アパートオナー向けに土地情報の提供からデザインアパートの企画、施工、賃貸管理までを一貫してワンストップで提供しており、第4四半期のアパートの受注棟数を想定より好調に推移し、販管費の効率的な運用により売上高営業利益率が改善したことなどが上方修正要因となった。期末配当は、上場記念配当5円を上乗せして20円に増配する。
一方、同社の「民泊」向けサービスは、まず昨年12月7日にFORMULA社(東京都渋谷区)とスマートホンドア「TATERU kit(タテルキット)」を共同開発し、千葉県柏市の物件でテスト運用を開始することを発表し、同12月14日には、同社の中古マンションのリノベーションサービス「スマリノ」で、同社が提供する戸建てやマンション、アパート、ビルなどの中古物件を対象に民泊向けのリノベーションサービスを開始することを発表した。またマイナス金利導入では、預金金利の低下に対応した借家建設などの収益物件への投資活発化が観測され、これを先取りして関連株人気を高めた。
■民泊・マイナス金利関連のダブルのテーマ人気に好ファンダメンタル評価が上乗せ
株価は、公開価格1870円に対して3615円で初値をつけ、いったん上場来安値2588円に突っ込んだが、そこから民泊関連人気でストップ高を交えて5180円高値まで2倍化、年明け後の再調整安値3915円からはマイナス金利導入関連で3日連続のストップ高で上場来高値8360円まで2.1倍化し、公開価格に比べ4.47倍と大化けした。前週末5日は、この急騰第2波の3分の2押し水準まで突っ込んだが、昨年12月のIPO以来、合計7日間もストップ高した値動きの良さは出色となっており、民泊・マイナス金利のダブルのテーマ株人気に好フアンダメンタル評価が上乗せとなって上昇第3波に発進、で最高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)