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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アライドテレシスHDはボックス上放れて強基調に転換、収益改善基調を評価して14年1月高値試す
- 2015/1/6 07:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ネットワーク機器製造・販売のアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の株価は、12月8日に123円まで急伸する場面があり、その後も水準切り上げの動きを強めている。80円~95円近辺のボックスレンジから上放れて強基調に転換したようだ。収益改善基調を評価して14年1月高値126円を試す展開だろう。なお2月13日に前期(14年12月期)決算発表を予定している。
世界23カ国・40連結子会社を統括する純粋持株会社で、ネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売・保守事業などを展開している。
14年12月には新SDNソリューションの開発を発表した。ストラトスフィア、ラクラス、クオリティソフト、トレンドマイクロ<4704>、およびインターネットイニシアティブ(IIJ)<3774>と連携し、ネットワーク運用管理の効率化とセキュリティーの強化を実現する新しいコンセプトのソリューションとしている。販売開始は今期(15年12月期)第2四半期(4月~6月)の予定で、自治体・文教・医療市場を中心に販促活動を強化する方針だ。
前期(14年12月期)の連結業績見通しは前回予想(2月12日公表)を据え置いて売上高が前々期比14.6%増の343億円、営業利益が7億円(前々期は12億84百万円の赤字)、経常利益が同27.8%減の5億50百万円、純利益が同4.8%増の1億円、配当予想が同1円減配の年間2円(期末一括)としている。
第3四半期累計(1月~9月)は前年同期比6.6%増収で、営業利益、経常利益、純利益とも前年同期に比べて赤字幅が縮小した。第4四半期(10月~12月)の構成比が高い収益構造のため、通期ベースでも営業損益の改善が期待される。想定為替レートは1米ドル=105円であり、ドル高・円安の進行で営業外損益の外貨建て資産に係る為替差益計上も期待されるだろう。
今期(15年12月期)についても、ソリューション販売の強化と付加価値サービスの拡充、米国における政府系案件の受注拡大、中南米における新規顧客開拓、アジア・オセアニアにおけるパナソニック<6752>とのパートナーシップによる監視カメラソリューションの提供拡大、国内におけるIT関連投資の需要拡大、円安に伴う国内販売価格の改定などで収益改善基調が期待される。
株価の動きを見ると、85円~90円近辺でモミ合う展開だったが、12月上旬に動意付いて12月8日に123円まで急伸する場面があった。その後一旦は反落したが、従来のモミ合いレンジまで回帰することなく水準切り上げの動きを強めている。
1月5日の終値101円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS87銭で算出)は116倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は2.0%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS94円16銭で算出)は1.1倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。80円~95円近辺のボックスレンジから上放れて強基調に転換したようだ。収益改善基調を評価して14年1月高値126円を試す展開だろう。