【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ネットワークバリューコンポネンツは調整一巡して切り返し局面、14年12月期業績再増額の可能性も支援材料

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ネットワーク関連製品のネットワークバリューコンポネンツ<3394>(東マ)の株価は、急伸した14年11月高値8500円から反落して軟調展開だったが、12月25日の直近安値3360円から切り返し、1月5日には3690円まで戻す場面があった。調整が一巡して切り返し局面だろう。

 情報通信ネットワーク関連製品の輸入販売・運用・保守事業(ネットワークソリューション事業およびネットワークサービス事業)を展開している。

 クラウド関連、モバイル関連、セキュリティ関連、サービス関連などを重点分野として海外の先端技術を開拓し、国内を代表するIT先進企業へ最適なソリューションとして提供する。企業内セキュリティ対策チームをバックアップするNVCプライベートSOC運用支援サービスも提供している。ライセンス収入や保守・運用収入などの売上構成比が高く、ストック型の収益構造であることも特徴だ。

 中期成長に向けて先端的ネットワーク関連商品の投入、パートナー企業との協業推進などでプロジェクト単位での受注拡大を目指している。

 13年5月新日鉄住金ソリューションズ<2327>と資本・業務提携し、13年8月米ニクサン社のネットワーク監視ソリューション製品に関する販売代理店契約、13年10月カナダのノビフロー社が開発したオープンフロー関連製品の国内独占販売代理店契約、14年1月モバイル用作業報告書自動作成アプリを提供するG-Smart社(東京都台東区)と販売代理店契約、14年9月米スレットストップ社のリアルタイムIPおよびドメインレピュテーションサービスに係る国内販売代理店契約を締結した。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(11月13日に売上高と営業利益を増額)は、売上高が前々期比14.6%増の28億64百万円、営業利益が同47.1%減の30百万円、経常利益が同54.7%減の16百万円、純利益が66百万円(前期は1億02百万円の赤字)としている。

 子会社イノコスの不振が影響して減益見通しだが、単体ベースでは無線LAN関連やセキュリティ関連の大型案件が寄与し、自社サービスである監視サービスも堅調に推移する。純利益については貸倒引当繰入額や子会社イノコス株式評価損の一巡、投資有価証券売却益も寄与して黒字化見込みだ。

 また通期見通しに対する第3四半期累計(1月~9月)の進捗率は、売上高が79.9%、営業利益が240.0%、経常利益が343.8%、純利益が87.9%で、営業利益と経常利益は大幅に超過達成しているため、通期業績見通しは再増額の可能性があるだろう。今期(15年12月期)についても、子会社イノコスの収益改善が課題となるが、単体ベースの好調が牽引して増収増益が期待される。

 株価の動きを見ると、急伸した14年11月高値8500円から反落して軟調展開だったが、12月25日の直近安値3360円から切り返して調整一巡感を強めている。1月5日には3690円まで戻す場面があった。

 1月5日の終値3660円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS70円54銭で算出)は52倍近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS219円91銭で算出)は17倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ止まり感を強めている。調整が一巡して切り返し局面だろう。

>>ネットワークバリューコンポネンツのMedia-IR企業情報

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