【Newsで一枚】JPホールディングスの荻田和宏社長

■子育て支援施設が直近々末で224施設に増加、保育士獲得に積極的に取組み18年3月期に経常利益21億円目標

 保育業界最大手JPホールディングス<2749>(東1・100株)の荻田和宏社長(写真)は、2016年3月期・第3四半期決算と今期並びに中期経営についてアナリスト及びマスコミ向け説明を行った。

 荻田社長は、「第3四半期末の保育所は159園、学童クラブ55施設、児童館10施設で子育て支援施設合計では224施設(2015年3月期末は200施設)となった。平成25年の安倍総理の成長戦略スピーチを機に『待機児童解消加速プラン』の取組みが行われ、平成29年度までに50万人分の保育の受け皿を確保することを目標として資本の投入や仕組みづくりが行われている」という。

 事業環境は明るい。ただ、「待機児童解消の最大の障壁は首都圏における保育士不足で、当社においても保育士不足が収益を圧迫している」(同社長)ということだ。

 保育士不足の対策として平成27年度より年1回だった保育士試験が一部地域で年2回実施され、朝夕の時間帯に限り、保育士2名以上配置のルールが変更され保育士1名で可能となった。このほか、子供1人当り2000~2500円の家賃補助も行われる方向だ。

 一方、保育業界の平均年収推定210万円に対し、同社は昨年思い切った給与引き上げを行うなど、現在の年収は平均約360万円と業界平均を大きく上回り採用面での優位さにつながっている。

 2016年3月期は売上高204億1100万円、営業利益17億4000万円と前期比14.2%増収、21.5%増益の見通し。1株利益15.2円、配当は1円増配の年5円(期末一括)の予定

 さらに、平成28年3月期~平成30年(2018年)3月期の中期経営計画において、「保育サービスの量的・質的向上、人材獲得に向けた採用活動の強化、第二の収益源の創設、経営管理の高度化、コンプライアンスの徹底及びコーポテートガバナンスの強化などを重点目標として掲げ、最終年度の2018年3月期に売上246億円、経常利益21億円(今期予想17億4000万円)を計画している」(同社長)ということだ。

 株価は、昨年来高値が400円(15年8月)、足元では全般相場の急落から245円と下げている。利回りは2.0%、PER16倍前後と高成長銘柄としては割安水準といえる。配当狙いで中期で注目だろう。

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