ファンデリーの16年3月期第3四半期は高進捗率、健康食宅配事業で中期成長期待
- 2016/2/19 09:20
- 株式投資ニュース
ファンデリー<3137>(東マ)の株価は、昨年来高値が1676円(15年6月)、同安値が573円(15年8月)、高値と安値の中間値は1134円で直近18日の終値は674円。健康食宅配事業を主力としてヘルスケア総合企業を目指している。一人暮らし高齢者や生活習慣病の増加も背景に中期成長期待は強い。16年3月期第3四半期累計は増収増益だった。通期も増収増益基調だ。
企業理念に、「一食二医社会の実現」を掲げている。健康増進を図るためには第一に「食事コントロール」があり、それでも困難なときに「医療」を行うことが望ましく、医療費削減に貢献するためにも「一食二医社会の実現」を目指すとしている。
主力事業は健康食を宅配するMFD(Medical Food Delivery)事業である。健康食通販カタログを医療機関や調剤薬局などを通じて配布し、顧客(個人)から電話・FAX・WEBを通じて注文を受け、健康食(冷凍弁当)を宅配する。定期コースとして、当社の管理栄養士・栄養士が顧客の疾病、制限数値、嗜好に合わせてメニューを選び、定期的に届けるサービス「栄養士おまかせ定期便」も提供している。なお定期コースの売上構成比は5割強である。
健康食通販カタログは医療機関・保健所・介護施設向け「ミールタイム」や、調剤薬局向け「ミールタイムファーマ」を発行し、健康食通販サイト「ミールタイム」も運営している。09年には介護食系通販カタログ「ミールタイムケア」も創刊した。「ミールタイム」発行部数は13年春号40万部、14年春号50万部、15年春号75万部と増加基調である。
また健康食宅配サービスから派生した事業として、健康食通販カタログ誌面の広告枠販売、商品サンプリングや健康食レシピ作成の業務受託、健康食レシピサイト運営などのマーケティング事業も展開し、収益源の多様化を推進している。とくに、同社の健康食宅配サービスは、従来の食事宅配サービスと一線を画し、食事コントロールを通じた血液検査結果の数値改善を目指している。
15年6月末時点の紹介ネットワーク数は医療機関1万3663箇所、保健所・介護施設等1433箇所、調剤薬局等3957箇所の合計1万9053箇所(15年3月末比1133箇所増加)で、15年3月末現在の顧客数は152千人(14年3月末比19千人増加)である。
2016年3月期・第3四半期累計(4月~12月)の非連結業績は、売上高が前年同期比11.2%増の22億04百万円で、営業利益が同9.1%増の3億51百万円、経常利益が同7.7%増の3億47百万円、純利益が同3.0%増の2億12百万円だった。
通期の予想は売上高が前期比10.1%増の29億39百万円、営業利益が同6.7%増の4億68百万円、経常利益が同3.2%増の4億51百万円、純利益が同4.6%増の2億71百万円としている。主力のMFD事業が順調に推移し、事業拡大に向けた人件費の増加などを吸収して増収増益予想だ。配当予想は無配としている。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.0%、営業利益が75.0%、経常利益が76.9%、純利益が78.3%と概ね順調な水準である。主力のMFD事業が順調に伸長して、通期増収増益基調に変化はないだろう。マーケティング事業は下期の構成比が高いことを考慮すれば、通期会社予想に増額余地もありそうだ。