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【アナリスト水田雅展の銘柄診断】ティムコの16年11月期は増収増益予想、0.2倍近辺の低PBRも見直し
- 2016/2/22 07:44
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQS)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売事業を展開している。16年11月期は増収増益予想で収益改善基調が期待される。株価は2月上旬に動意づいて乱高下の展開となったが、目先的な売りが一巡して下げ渋る動きだ。0.2倍近辺の低PBRも見直して反発のタイミングだろう。
■フィッシング用品とアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品とアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。そして当社オリジナルアウトドア衣料ブランドである「Foxfire(フォックスファイヤー)」の商品力強化や、直営店舗「Foxfire Store(フォックスファイヤーストア)」の収益力向上に取り組んでいる。
20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりも期待される。
■15年11月期は減収減益で減損損失も計上
1月19日発表の前期(15年11月期)非連結業績(1月15日に固定資産減損損失計上に伴って減額修正)は、売上高が前々期(14年11月期)比3.2%減の28億37百万円、営業利益が同5.8%減の23百万円、経常利益が同15.5%減の30百万円、純利益が14億83百万円の赤字(前々期は8百万円の黒字)だった。配当予想は前々期と同額の年間12円(期末一括)とした。
消費マインド低迷の長期化、商品納期遅延の発生、在庫商品の値引き販売などで減収減益だった。差引売上総利益率は45.8%で同0.2ポイント上昇、販管費比率は45.0%で同0.2ポイント上昇した。営業外収益では為替差益が減少(前々期は5百万円計上、前期は2百万円計上)した。また特別損失に、本社および商品センター等の土地・建物等の有形固定資産等について減損損失13億96百万円を計上したため、純利益は赤字だった。なお自己資本比率は82.8%で同3.7ポイント低下した。
セグメント別(連結調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同8.1%減の8億94百万円、営業利益が同12.1%減の1億06百万円だった。フライ用品は堅調だったが、ルアー用品が仕入計画の遅延や取引先小売店での販売低調で苦戦し、円安に伴う輸入商品の原価上昇や在庫品の値下げ販売も影響した。
アウトドア事業は売上高が同1.3%減の19億12百万円、営業利益が同0.1%減の1億31百万円だった。防虫素材「スコーロン」を使用した衣料品の販売強化で春夏物衣料が堅調だったが、富士登山ブームが沈静化し、暖冬の影響で防寒商品の販売が苦戦した。
その他(不動産賃貸収入など)は売上高が同55.9%増の30百万円、営業利益が同55.0%増の22百万円だった。賃貸面積の増床が寄与した。
四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(12月~2月)6億31百万円、第2四半期(3月~5月)7億62百万円、第3四半期(6月~8月)6億75百万円、第4四半期(9月~11月)7億69百万円、営業利益は第1四半期31百万円の赤字、第2四半期33百万円、第3四半期14百万円の赤字、第4四半期35百万円だった。
■16年11月期は増収増益予想で収益改善期待
今期(16年11月期)の非連結業績予想(1月19日公表)については、売上高が前期(15年11月期)比5.0%増の29億80百万円、営業利益が同2.1倍の49百万円、経常利益が同70.6%増の52百万円、純利益が41百万円(前期は14億83百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)で、予想配当性向は72.5%となる。
基本戦略としては規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益性向上に努める方針としている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与して収益改善が期待される。
なお1月15日に、資本準備金および別途積立金の減少について、16年2月26日開催予定の第46期定時株主総会に付議すると発表している。15年11月期の繰越利益剰余金の欠損を補填し、株主への安定的な配当を実施するため、会社法に基づき資本準備金および別途積立金の額を減少し、同額をその他資本剰余金および繰越利益剰余金に振り替える。本件による業績への影響はない。
■株主優待制度は毎年11月末に実施
株主優待制度については毎年11月30日現在の株主を対象として実施している。優待内容は100株以上~1000株未満保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券1枚、1000株以上保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券2枚贈呈する。株主優待券利用対象店舗は直営店(会社ホームページを参照)となる。
■株価は乱高下したが目先的な売り一巡、低PBRを見直し
株価の動きを見ると、2月上旬に動意づいて戻り高値圏の560円近辺まで急伸する場面があった。その後急反落して2月12日の昨年来安値446円まで調整した。やや乱高下したが、足元は450円近辺で推移して下げ渋る動きだ。
2月19日の終値451円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS16円56銭で算出)は27~28倍近辺で、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1989円07銭で算出)は0.2倍近辺である。時価総額は約15億円である。
週足チャートで見ると、500円台でのモミ合いから下放れた後は乱高下の展開となったが、目先的な売りが一巡して下げ渋る動きだ。16年11月期は収益改善が期待され、0.2倍近辺の低PBRを見直して反発のタイミングだろう。