【株式評論家の視点】ビジョンは上場2カ月経過、グローバルWiFi事業拡大、連続大幅増益
- 2016/2/25 09:35
- 株式評論家の視点
ビジョン<9416>(東マ・100株)は、昨年12月21日に東京証券取引所マザーズ市場に上場。グローバルWiFi事業(海外事業、国内事業)、情報通信サービス事業(固定通信事業、移動体通信事業、ブロードバンド事業、OA機器販売事業、インターネットメディア事業)、その他事業(オフィス用品の通販「アスクル」の代理店事業等)を運営している。
同社は、前2015年12月期にスローガンとして「チームビジョンの結束」を掲げ、グループ全体で一体感を持ちながら更なる成長に向けて事業部間及び販売チャネル間の連携強化、知的生産性及び労働生産性の向上に注力。また、グローバルWiFi事業の更なる成長に向けて、「日本から海外へ渡航される方」、「海外から日本へ渡航される方」、「海外から海外へ渡航される方」全ての方へのサービス強化を図るべく、販売体制、新サービスの提供及びPR活動の強化に取り組んできた。更に、エンドユーザーに対して最適な商品やサービスを最適なタイミングで提供すべく、同社グループの強みであるWEBマーケティングによる集客、コールセンターによる案内、営業所及びパートナー企業との連携による全国規模での訪問営業が行える強みを活かし、効果的な営業活動を展開してきた。
前15年12月期業績実績は、売上高が124億8500万円(前の期比22.6%増)、営業利益が8億0400万円(同2.8倍)、経常利益が8億0700万円(同2.5倍)、純利益が5億8500万円(同2.1倍)に着地。
今16年12月期は、景気回復に向けた「『日本再興戦略』改訂2015」において、ベンチャー創造の好循環の確立、訪日外国人旅行者数拡大に向けた受入環境の整備は、訪日外国人旅行者数の増加による受注増加、起業・開業数の増加及びその成長に伴う拡大・移転は受注増加の要因となり、これらの要因を売上増加として見込んでいる。また、事業基盤を強固なものとするため、販売体制の強化と業務効率の向上を推進する。
今16年12月業績予想は、売上高が144億3400万円(前期比15.6%増)、営業利益が9億円(同11.9%増)、経常利益が8億8800万円(同10.0%増)、純利益が5億9000万円(同0.8%増)と続伸を見込んでいる。株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針だが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定としている。
株価は、昨年12月21日に公開価格2000円を10.7%上回る2213円で初値をつけ、同日上場来の高値2390円と買われた後、2月16日に上場来の安値1145円と調整。その後、下値圏でモミ合っている。日本人の海外渡航用WiFiルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」で培ったノウハウを活かし、日本ならではの細やかなサービス体制で訪日外国人に満足して頂けるサービスを、世界の国々に向け展開しているが、同社では通信の品質はもちろん、顧客の利便性向上を考えて受取り返却場所や多言語サポートなどを充実させており、2020年の東京五輪開催に向け業績拡大が期待される。ここからの押し目は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家/アナリスト・信濃川)