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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アスカネットは調整一巡して反騰態勢、空中結像AIプレート量産化期待で14年9月高値目指す
- 2015/1/8 07:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
写真加工関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は調整が一巡して反騰態勢のようだ。1月7日は後場に動意付いてストップ高の2882円まで急伸した。米国で開催中の世界最大の家電見本市CES2015において、米インテルの空中鍵盤に当社の空中結像AIプレートが使用されていることが材料視されたようだ。AIプレート量産化期待に変化はなく、新サービス「ギフトネットコム」の収益寄与も期待される。14年9月高値4420円を目指す展開だろう。
葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくい安定収益源である。
新規事業の空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートは、画像映像を表す光を受け、特殊なパネルを通過することによって反対側の空中に映像を結像する新技術である。独自技術を強固にするため特許申請も進め、将来的には自ら立体映像を空中に創出する技術の確立も目指している。
現状はAIプレート試作品の販売が進み、プレ量産も可能となっているが、低コストと大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立に取り組んでいる。本格量産開始時期は未定だが、目標としては今期(15年4月期)中に量産技術を確定して本格量産に向けた設備体制等の検討に入りたいとしている。
また14年12月には、ネットを活用して「選べるギフト」を贈る新しいギフトサービスシステム「ギフトネットコム」のサービス提供を開始した。金額不記載の「オンデマンド・オリジナルカード」を商品交換券として使用する「選べるギフト」に特化したECプラットフォーム(特許申請中)で、ギフトカード市場やカタログギフト市場への浸透を目指している。
今期(15年4月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(6月10日公表)を据え置いて売上高が前期比4.6%増の49億84百万円、営業利益が同6.3%減の6億73百万円、経常利益が同6.9%減の6億76百万円、純利益が同2.6%減の4億34百万円としている。配当予想については14年11月1日付の株式4分割を考慮すると実質的に前期と同額の年間8円(期末一括)としている。
第2四半期累計(5月~10月)は前年同期比5.1%増収、同1.6%営業増益、同2.0%経常増益、同5.9%最終増益と順調に推移した。メモリアルデザインサービス事業ではメモリアルビデオなど映像サービス収入も伸長した。パーソナルパブリッシングサービス事業では「ZENレイフラット」や「オンデマウント」の好調も寄与した。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が46.7%、営業利益が41.8%、経常利益が42.2%、純利益が41.5%である。下期の構成比が高い収益構造を考慮すれば順調な水準と言えるだろう。通期ベースでは広告宣伝費や研究開発の増加で減益見込みとしているが、メモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業とも順調に推移する見込みだ。通期増額の可能性もあるだろう。
なお12月にサービス提供開始した「ギフトネットコム」については、今期は売上高として純額手数料収入10百万円を見込むが、広告宣伝費・開発費・人件費などの費用先行で1億10百万円の損失を見込んでいる。来期(16年4月期)には費用先行が一巡して収益寄与本格化が期待される。
株主優待制度は毎年4月30日現在の株主に対して自社サービス(マイブック)の割引利用券を贈呈している。14年11月1日付株式4分割後100株以上400株未満所有株主に対して1000円割引利用券1枚、400株以上2000株未満所有株主に対して1000円割引利用券2枚、2000株以上所有株主に対して1000円割引利用券3枚を贈呈する。
株価の動き(14年11月1日付で株式4分割)を見ると、直近安値圏の概ね2300円~2500円近辺でモミ合う展開だったが、1月7日の後場に動意付いてストップ高の2882円まで急伸した。米国で開催中の世界最大の家電見本市CES2015において、米インテルの空中鍵盤に当社のAIプレートが使用されていることが材料視されたようだ。
1月7日の終値2882円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS25円92銭で算出)は111倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は0.3%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS219円87銭で算出)は13倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。AIプレート量産化期待に変化はなく、来期には「ギフトネットコム」の収益寄与本格化も期待される。調整が一巡して反騰態勢だ。9月高値4420円を目指す展開だろう。