【編集長の視点】インベスターズクラウドは続急落も連続の最高業績に民泊関連・IoT関連と3拍子揃う株高材料は健在
- 2016/3/9 10:22
- 編集長の視点
インベスターズクラウド<1435>(東マ)は、410円安の9080円と続急落して始まっている。きょう9日の日経平均株価が、海外株安や円高・ドル安進行で262円安と3日続落してスタートしていることから、前日8日取引時間中に上場来高値9740円まで買い上げられた同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いている。ただ同社が、今年2月10日に開示した今12月期業績が、連続して過去最高を更新すると予想されることや、民泊関連の中古マンションのリノベーションサービス「スマリノ」の展開、IoT(インターネット・オブ・シングス)関連のスマートフォンドア「TATERU kit(タテルキット)」の合弁会社の設立などの株高材料が3拍子揃っていることは健在であり、買い再燃となる展開も想定される。とくに民泊関連では、東京で3月23日と予報された桜の開花が迫り、訪日外国人観光客のブームが見込まれることも、サポート材料になろう。
■「タテル」と「スマリノ」、「タテルキット」の相乗効果で今期純益は59%増
同社の今12月期業績は、売り上げ272億2200万円(前期比26.5%増)、経常利益28億94000万円(同53.6%増)、純利益18億200万円(同59.8%増)と大幅続伸が予想され、売り上げ、利益とも連続して過去最高を更新する。アパートオナー向けに自社開発の土地情報の提供から企画、施工、賃貸管理までをワンストップで提供する主力事業のアパート経営プラットフォーム「TATERU(タテル)」で、今期も、この機能強化や知名度向上により会員数の増加と成約率の向上を進め、アパートの引き渡しを棟数ベースで4割増と見込んでいることなどが要因となる。配当も、前期に上場記念配当を5円上乗せして20円としたが、今期は、普通配当として24円と増配を予定している。
この「タテル」の好展開を新規事業としてサポートするのが、「スマリノ」と「タテルキット」である。「スマリノ」は、訪日外国人観光客の急増で宿泊施設が不足していることに対応し、中古マンションを民泊施設にリノベーションするサイトとして昨年12月からサービスを開始している。また「タテルキット」は、FOMULA社(東京都渋谷区)と共同開発したスマートドアホンで、IoT機器としてスマートアパート化を実現するもので、同社とFOMULA社は、今年2月22日に「タテルキット」を民泊施設向けに設置するための合弁会社を今年4月1日に設立することを発表した。
■IPO以来ストップ高を繰り返す急騰特性を発揮して上値チャレンジが再加速
株価は、昨年12月に公開価格1870円でIPOされ、3615円で初値をつけ、民泊関連人気で連続ストップ高、続いて今年1月のマイナス金利導入の追加金融緩和策でも関連人気で連続ストップ高、さらに前期業績の上方修正・増配でストップ高と急騰、調整安値6030円からは「タテルキット」の合弁会社設立発表で上値を伸ばし上場来高値まで61%高して高値もみあい場面となっている。業績好実態、テーマ性、材料性と満載となる株高材料を手掛かりに急騰特性を再発揮、下値からの上値チャレンジが再加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)