【チャート診断】日立建機は再減額は織込んだが浮上は困難、中期買いは中国と原油相場の見極めが立ってからで十分

チャート診断

 日立建機<6305>(東1・100株)は2014年12月の2780円から長期下落の相場展開だ。去る、2月12日には1475円まで高値から46.9%(値幅で1305円)下げ、足元では1750円前後まで戻す流れとなっている。なお、主力銘柄の目安となっている2007年高値の4730円に対しては、わずか3.5合目という水準にとどまり主力株の中では弱い動きが目を引く。

 営業利益がピークだった2008年3月期の1084億5800万円に対し、今3月期は300億円の見通しで利益面でもピークの2.8合目にとどまる。特に、今期は期初の見通しでは営業利益540億円(前期543億4500万円)だったが、昨年10月27日に300億円へ減額した。特に、純利益については期初予想の270億円は10月27日に130億円へ減額、さらに今年1月28日には95億円へ再減額された。

 結果、今期のEPSは44.5円と期初の127.0円見通し(前期107.9円)から大きく落ち込む。配当は中間及び期末30円の年60円の予定だったが、中間では30円を実施したが期末は未定ということだ。期末の減配は避けられないものとみられる。

 最高益当時の2008年はオリンピック、万博など中国ブームの恩恵を受けたが、中国のGDPが14%から6.5%と大きくダウンしている影響で今は中国が足を引っ張っている。加えて、原油相場の急落に見られるように資源関連向け建設機械も振るわない。

 株価的には、「この水準では、売方(空売り)は売り崩しは難しいだろう。4月下旬発表の決算発表で次期見通しがさらに悪化するようなら一段安は予想される」(中堅証券)という。

 今後の株価のポイントは中国経済と原油相場の行方次第ということになりそうだ。原油相場については、全くの不透明だが、中国については建設機械に明るさも予想される。今回の全人代で高速道路、鉄道、空港など交通インフラ整備が打ち出され30兆円規模の投資となることが支えとなりそうだ。

 かって人気株だった頃の足の軽い値動きは消え、値動きは小さくなっているため短期筋にとっては関心が向かないだろう。このため、しばらくは1700円どころでの小浮動とみられ4月下旬の決算発表を待つ展開だろう。中期での新規買いは中国経済と原油の先行き見通しが明るくなるときまでは待つべきのように思われる。

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