【どう見るこの相場】日経平均の行方

日経平均の行方

■北朝鮮と円高を見守り3月末に向け膠着相場の展開か、景気対策出れば急伸も

<Q>日経平均は1万7000円台に乗せたことで一気に上に行くのかと思われたが、逆に下げているが、なぜなんだ。

<A>2月12日の場中安値1万4865円から3月4日の1万7042円まで1カ月弱で2177円上昇、ピッチの速かったことに対する調整とみるべきだろう。上げ幅に対し、3分の1押しは1万6317円、25日線もこの前後にあるから下げ止まるだろう。9日は1万6494円まで下げたが、3分の1押し水準の手前で止まっている。

<Q>一段安の心配はないか。

<A>目がはなせなくなっている朝鮮半島は要注意だ。もしも、軍事衝突になれば日経平均の半値押し(1万5954円)は下回る可能性はありそうだ。また、円高がさらに110円前後へ進むようなら日経平均は2月12日の安値(1万4865円)を瞬間、下回る可能性はあるだろう。ただ、北朝鮮問題と円高以外の材料は従来と大きく変わっていない。

<Q>どういうことか。

<A>日本のGDPが10~12月期に続いて今年1~3月もマイナスとなりそうなこと、マイナス金利の効果の行方、企業業績は2017年3月期が減益に落ち込みそうなことなどだ。これらは、これまで言われてきたことだ。選挙控え、サミット控え、消費税控えの「3つの控え」から景気対策が出るだろうということも従来から言われている通りだ。

<Q>ということは、北朝鮮問題と円高が今ていどの状態なら相場は大きく動かないということか。

<A>そう見ておくのがよいだろう。主力株の値動きをみていると、戻れば売り物が出てくる。3月の期末接近で法人の決算対策売りが出ているように思われる。このため、トヨタが週足26週線に届かないことにみられるように主力株の上値は重そうである。下げれば、配当狙いの買いは入るが、短期筋の動きは不活発となりそうだ。これから、3月末に向けて、相場は膠着になる可能性が強そうだ。もちろん、この間に景気対策が出るようなら日経平均は上値を伸ばすことが予想される。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る