JSPは株価堅調、第3四半期の利益高進捗率から上振れの可能性大
- 2016/3/11 11:00
- 株式投資ニュース
JSP<7942>(東1)の株価は昨年来高値が2763円(15年11月)、同安値が1816円(15年9月)、その中間値2289円に対し11日(金)は2150円前後のモミ合い。
同社は発泡プラスチック製品専業の大手である。自動車用や住宅用など高付加価値製品の開発・拡販を推進している。16年3月期は増益・増配予想である。高付加価値製品の拡販、原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復などが寄与して再増額余地がありそうだ。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが切り返しの動きを強めている。調整が一巡して15年11月高値を目指す展開だろう。
16年3月期・第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.8%減の875億45百万円、営業利益が同68.7%増の74億28百万円、経常利益が同52.6%増の72億50百万円、純利益が同48.6%増の52億09百万円だった。
国内景気回復遅れによる需要減少、原燃料価格下落に伴う製品価格改定などで減収だったが、高付加価値製品拡販によるプロダクトミックスの改善、国内における原料価格と販売価格の差であるスプレッドの適正水準への回復、償却方法変更による減価償却費の減少、海外事業における販売数量増加と円安に伴う円換算額の増加などが寄与して大幅増益だった。
売上総利益率は29.3%で同4.8ポイント上昇、販管費比率は20.8%で同1.3ポイント上昇した。営業外では為替差損益が悪化(前期は差益1億15百万円計上、今期は差損4億62百万円計上)したが、持分法投資損益はやや改善(前期は損失2百万円計上、今期は利益12百万円計上)した。特別利益では新工場建設に伴う補助金収入3億01百万円を計上、特別損失では在ドイツ欧州孫会社における事業構造改革(老朽化した成形工場を17年3月閉鎖予定)費用4億11百万円を計上した。
今3月期通期は、売上高が前期比1.2%減の1155億円、営業利益が同41.2%増の80億円、経常利益が同32.3%増の80億円、純利益が同28.7%増の52億円としている。最高益更新予想だ。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が92.8%、経常利益が90.6%、純利益が100.2%と高水準である。通期利益予想は再増額余地があるだろう。現時点の予想EPSは1174.4円。