来週は出来高の少ない盛り上げるに欠ける展開か、四季報・春号発売で好調組買い・不振組売りの展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

 週足でみれば日経平均は3月4日(金)に1万7014円と1万7000円台に乗せ、その後今週(11日)の調整が小幅だったことでリズムとしては来週(14日~18日)は再度1万7000円に挑戦する展開とみられる。

 とくに、外部材料に大きい変化はなくマーケット全体としては手掛かり難の状況。東証1部出来高20億株前後、売買代金2兆円前後の盛り上がりに欠ける展開だろう。こうした中で、3月期末に絡んだ法人筋の決算対策売りが予想されるため売り物の出ないような銘柄が物色対象となるものとみられる。

 また、14日(月)は東洋経済と日本経済新聞の、「四季報」の発売が予定されており、個々の銘柄では明暗を分ける展開となることが予想される。とくに、今回は、次期(2017年3月期)の企業業績に下振れ懸念の強まっていることから、17年3月期の利益不振銘柄は下げることが予想される。

 中でも注目は主力のトヨタ自動車(7203)の17年3月期予想といえる。東洋経済四季報・新春号で16年3月期1株利益は770.8円(15年3月期688.0円)と予想しているが、今度の春号で17年3月期がどのていどのEPSとなるかが注目される。株価面では、トヨタ株は2月・月足で24カ月線を割り込み、中期相場で売り転換しているだけに今回の四季報予想数値はたいへん重要である。

 来週は薄商いの中で、四季報予想の、「好調組買い」、「不振組売り」、という明暗の分かれる展開が予想される。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る