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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブは調整一巡して切り返し、16年9月期大幅増益予想
- 2016/3/21 08:30
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)は、ソフトウェア開発を中心にソリューションサービスを提供している。株価は調整が一巡して切り返しの動きを強めている。16年9月期大幅増益予想で指標面に割安感があり、出直り展開だろう。
■ソフトウェア開発を中心にソリューションサービスを提供
ソフトウェア開発事業、システム運用事業、その他事業(パッケージ開発・販売)を展開し、顧客に常駐する型で情報サービス分野における総合的なソリューションサービスを提供している。
顧客別に見ると日立システムズや日立ソリューションズなど、日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めて収益源となっている。
■アライアンス戦略も積極推進
15年5月には、CNプレイガイドを運営してチケッティングに関するソリューションサービスを提供するコミュニティ・ネットワーク(東京都)と、エンターテイメント市場に特化したチケッティングソリューションサービス事業領域において包括的業務提携した。
提携第1フェーズとして、当社の「チケット for Windows」とコミュニティ・ネットワークの「CNシステム」をシステム連動させた新たなチケット販売・管理ASPサービス「チケットGATE」の提供を開始する。座席登録、票券管理から発券・決済までチケット販売に関わるすべての業務を一本化して、全国のコンビニ約2万9000拠点を利用できる新チケッティングソリューションシステムだ。
さらに提携第2フェーズとして、チケット販売額の適正化・収益の最大化をサポートするイールドマネジメントシステムなど、多様化するチケット販売方法に適応する次世代型チケッティングシステムの開発を推進する方針だ。
■第2四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造
15年9月期の非連結業績は14年9月期比4.8%増収、同5.8%営業減益、同0.5%経常減益、同2.1倍最終増益だった。システム運用のインフラ構築での作業縮小に伴う待機工数の増加、ソフトウェア開発の作業超過に伴う原価の増加が影響して営業減益、経常減益だったが、純利益は減損損失が減少して大幅増益だった。
なお売上総利益率は15.2%で同1.0ポイント低下、販管費比率は10.4%で同0.5ポイント低下、ROEは6.1%で同3.1ポイント上昇、自己資本比率は68.5%で同0.8ポイント上昇した。配当性向は31.4%だった。
事業別売上高は、ITソリューション事業が同5.4%増の66億74百万円(ソフトウェア開発が同8.7%増の30億35百万円、システム運用が同2.8%増の36億39百万円)だった。ITサービス事業は同21.2%減の1億19百万円だった。日立グループ向けは売上高40億08百万円で売上構成比59.0%(14年9月期は売上高39億59百万円で売上構成比61.1%)だった。
15年9月期の四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(10月~12月)15億97百万円、第2四半期(1月~3月)18億22百万円、第3四半期(4月~6月)15億89百万円、第4四半期(7月~9月)17億86百万円、営業利益は第1四半期72百万円、第2四半期1億49百万円、第3四半期7百万円、第4四半期98百万円だった。企業や官公庁の年度末にあたる第2四半期の構成比が高い収益構造である。
■16年9月期第1四半期は大幅増益
今期(16年9月期)第1四半期(10月~12月)の非連結業績は、売上高が前年同期比3.9%増の16億59百万円、営業利益が同45.9%増の1億05百万円、経常利益が同38.5%増の1億12百万円、純利益が同46.5%増の74百万円だった。
増収効果、業務効率化効果、販管費抑制効果などで大幅増益だった。売上総利益率は16.4%で同0.9ポイント上昇、販管費比率は10.0%で同1.0ポイント低下した。
■16年9月期通期も大幅増益予想
今期(16年9月期)通期の非連結業績予想(11月6日公表)は、売上高が前期(15年9月期)比比9.4%増の74億33百万円で、営業利益が同30.7%増の4億26百万円、経常利益が同22.2%増の4億64百万円、そして純利益が同41.7%増の2億93百万円の大幅増益予想としている。配当予想は前期と同額の年間24円(期末一括)で予想配当性向は31.4%となる。
売上面ではマイナンバー関連も含めて、IT投資が回復基調の金融機関の大型案件や官公庁向けを中心にソフトウェア開発需要が拡大する見通しだ。利益面では増収効果に加えて、前期のシステム運用における待機工数増加やソフトウェア開発における作業超過といった、利益押し下げ要因の一巡も寄与する。大幅増益予想だ。
なお通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が22.3%、営業利益が24.7%、経常利益が24.1%、純利益が25.3%である。概ね順調な水準であり、通期ベースでも好業績が期待される。
■長期ビジョンで100億円企業、東証2部上場を目指す
13年11月発表の新中期経営計画(14年9月期~16年9月期)では、基本戦略としてソフトウェア開発・システム運用などのITソリューション事業の安定成長、自社パッケージ開発・販売のITサービス事業の成長加速、強固な人材・組織基盤の構築を推進している。
経営目標値は16年9月期売上高80億円(ITソリューション事業76億円、ITサービス事業4億円)、売上高経常利益率8.0%を掲げ、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。中期的に収益拡大が期待される。
■株価は調整一巡して切り返し
株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受けた2月12日の昨年来安値725円から切り返しの動きを強めている。3月16日には839円まで上伸した。調整が一巡したようだ。
3月18日の終値818円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS76円55銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想年間24円で算出)は2.9%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS908円02銭で算出)は0.9倍近辺である。時価総額は約32億円である。
日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、25日移動平均線が上向きに転じてきた。また週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。指標面に割安感があり、マイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連も注目点となる。調整が一巡して出直り展開だろう。