星光PMCは5日線に沿った上昇の好チャート、業績もよく材料含みで注目局面

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チャート4 星光PMC<4963>(東1)は、2月12日の安値815円を起点にジリ高の展開だ。とくに、短期線の5日線に沿った上昇で、きっかけさえあれば急伸の予想されるチャートである。製紙用薬品事業、樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。16年12月期増収増益予想で、2月10日に発表した新中期経営計画では18年12月期の営業利益率8%以上を目標としている。次世代素材CNFの事業化も期待される。

 次世代素材CNFは、すべての植物の植物細胞壁の骨格成分であるセルロースを、ナノサイズまで細かくほぐすことによって得られる繊維である。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上強く、熱による変形が少ないなどの特徴がある。樹脂の補強材として機能させることで、自動車用樹脂の強度向上や金属部材からの置き換え、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待されている。

 当社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指し、13年2月に経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択された。14年6月には産官学連携型コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立され、当社を含めて100社以上が参画した。また14年11月には竜ヶ崎工場におけるCNF実証生産設備が完成し、本格的な変性CNFサンプルの提供を開始している。

 銀ナノワイヤーは14年9月からサンプル出荷を本格開始した。直径がナノサイズ、長さがミクロンサイズの繊維状の銀を溶液中に分散させて透明導電性電極を形成し、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が期待されている。

 15年12月期は、前々期(14年12月期)との比較で売上高が2.5%増の245億69百万円、営業利益が4.1倍の13億18百万円、経常利益が2.6倍の13億35百万円、純利益が10億72百万円(前々期は18百万円の赤字)だった。計画(8月5日に売上高を減額、利益を増額)を上回る大幅増益だった。

 今期(16年12月期)通期の連結業績予想(2月10日公表)は、売上高が前期(15年12月期)比1.1%増の248億30百万円、営業利益が同10.7%増の14億60百万円、経常利益が同13.8%増の15億20百万円、そして純利益が同5.3%増の11億30百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)で予想配当性向は32.2%となる。

 今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円27銭で算出)は32~33倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS665円09銭で算出)は1.8倍近辺。

 トヨタ自動車など主力株の動きが鈍れば、同社株に物色の矛先が向うことが予想され今年1月16日の高値1577円を目指すものとみられる。

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