【編集長の視点】富士ソフトサービスビューロは権利付き最終日の配当権利取りに割安直近IPO株買いが相乗して反発

編集長の視点

 富士ソフトサービスビューロ<6188>(JQS)は、8円高の912円と4営業日ぶりに反発して始まり、今年3月18日につけた上場来安値880円から底上げをしている。同社株は、今年3月15日に新規株式公開(IPO)されたばかりだが、きょう28日が、今3月期期末の配当権利付き最終日となっていることから、IPO株のなかでも数少ない有配会社で20円と予想している今期配当の権利を取る好配当利回り買いが再燃している。今期純利益の大幅増益が予想されていることから割安直近IPO株買いも、相乗している。

■「厚生年金問い合わせ業務」やマイナンバーのBPO業務受注で今期利益は大幅続伸

 同社は、1984年10月に富士ソフト<9749>(東1)のデータ入力部門が独立して設立され、1986年10月に郡山データセンターを開設、2004年9月には官公庁や地方公共団体、企業から業務プロセスの企画・設計から実施までを外部受託するBPOサービスを開始した。つれて業容も拡大して業績も順調に推移し、配当も連続実施し、今期は20円(前期は今年1月12日付けで実施した1対1000の株式分割前で2万5100円)を予定している。同配当利回りは、2.20%とジャスダック市場全銘柄平均の1.86%を上回っていることから、配当権利取りにつながっている。

 その今3月期業績は、大幅増益転換が予想されている。具体的には売り上げが、77億9000万円(前期比1.3%増)と続伸し、経常利益が、2億5100万円(同45.7%増)と増益転換、純利益が1億4300万円(同52.7%増)と大幅続伸と見込んでいる。コールセンターサービスでは、官庁向けの継続案件が予定通りに推移し、新規案件では「厚生年金基金問い合わせ業務」を受注、BPOサービスでは、官公庁向けにマイナンバー業務、臨時福祉給付金などの入札案件の事務代行のBPO業務や人材派遣を受注したことなどが要因となる。

■PER12倍台の割安修正で上場来高値奪回のキャピタル・ゲイン妙味も示唆

 株価は、公開価格890円を120円、13%上回る1010円で初値をつけ上場来高値1170円まで買い進まれたが、3月18日の6社が同時上場されるIPOラッシュが響いて公開価格を下回る上場来安値880円まで突っ込み、下げ過ぎとして底上げに転じてきた。PER評価でも12倍台と割安であり、配当取りのインカム・ゲイン妙味とともに、上場来高値奪回を目指すキャピタル・ゲイン(値上がり益)妙味も示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)

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