【編集長の視点】バリューゴルフは変わらずも市場コンセンサスを上回る連続最高純利益を見直して下値買いは根強い
- 2016/3/29 09:42
- 編集長の視点
バリューゴルフ<3931>(東マ)は、前日比変わらずの2051円で寄り付き、今年3月15日につけた上場来安値2010円を前に下値抵抗力を示している。今年3月15日に新規株式公開(IPO)後の初決算として発表した1月期業績が、前期、今期と続伸し、今期純利益が過去最高を連続更新し市場コンセンサスを上回ることを見直し根強い下値買いが続いているものだ。4月のゴルフ・シーズン到来とともにゴルフ場予約サイト「1人予約ランド」の好展開も、期待されている。
■「1人予約ランド」の今期契約ゴルフ場は前期比51%増の818コースと拡大
同社のIPO後の初決算となった前2016年1月期業績は、ほぼIPO時予想通りに前々期比5.7%増収、2.10倍営業増益、2.58倍経常増益、3.81倍純益増益と大幅続伸し、最高業績を更新した。ゴルフ事業とメディカル事業が高成長したことが要因となった。とくに売り上げの69%を占めたゴルフ事業で、4人1組でのプレーが原則のゴルフ場で1人でもプレーが可能な予約サイト「1人予約ランド」の契約ゴルフ場が、前々期の482コースから580コースに20%増え、登録会員数も、前々期の16万人から23万8000人に同48%増、年間予約エントリー数の前々期の55万4000件に対して42%増の79万2000件に拡大したことが貢献している。
今1月期業績も、売り上げ12億2500万円(前期比22.8%増)、営業利益2億2100万円(同70.0%増)、経常利益2億2000万円(同70.0%増)、純利益1億3200万円(同40.5%増)と連続の過去最高更新を予想、利益は、市場コンセンサスをいずれも2000万円程度上回る。「1人予約ランド」が、今期末に前期比51.5%増の818コースにさらに拡大することを計画し、メディカル事業でも、地域医療書籍の発行件数を増加させ、医療機関とのリレーションを強化することなどが要因となる。また、今期中に「1人予約ランド」の会員向けにゴルフのプレーと人間ドックを組み合わせるゴルフ医療ツアーなどの新サービスなどを開始予定にあることも、業容の厚み、業績成長につながる。
■ストップ高で開けた窓埋め完了から上場来高値奪回に向けて再発進
株価は、公開価格1280円に対して3215円で初値をつけ上場来高値3400円まで買い進まれる高人気となったが、セカンダリーではIPO株の定石通りに下値を探り、今年3月中旬以降のIPOラッシュが響いて上場来安値2010円に突っ込んだ。ただ同安値と同時に1月期決算を発表、連続最高業績に反応してストップ高し、この時に開けた窓埋めを続けている。窓埋め完了とともに再発進、ストップ高でつけた2520円の戻り高値抜けから上場来高値奪回に向け再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)