【株式評論家の視点】フランスベッドは中期経営計画で高齢化社会対応を一段と強化、足元の業績も好調、株価に上値余地

株式評論家の視点

 フランスベッドホールディングス<7840>(東1・100株)は、昨年4月から3か年にわたる中期経営計画を策定し、「本格的な高齢社会で求められるニーズに対応するため、グループが保有する経営資源を集中させている。

 シルバービジネスの更なる強化と積極的な展開を図ることにより、『グループ総体としての企業価値の最大化』を目指す」という基本方針のもと、中期的な目標や成長戦略を掲げ、 主な成長戦略として得意分野の強化策としての「福祉用具貸与事業を中心とした介護事業の深耕」、新たな収益機会の獲得のための「介護保険制度に過度に依存しない収益基盤作り」、安定的に収益を確保できるビジネスモデルへの転換策としての「インテリア健康事業の収益性の改善」に取り組んでいる。

 2016年3月期第3四半期業績実績は、売上高が386億8600万円(前年同期比2.5%増)、営業利益が19億8600万円(同53.1%増)、経常利益が19億4800万円(同50.2%増)、純利益が11億1800万円(同69.7%増)に着地。

 通期業績予想は、売上高が535億円(前期比3.0%増)、営業利益が22億円(同27.6%増)、経常利益が21億5000万円(同23.1%増)、純利益が11億円(同21.5%増)を見込んでいる。年間配当は15円(第2四半期末2.5円、期末12.5円)を予定。なお、昨年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を実施している。

 株価は、昨年12月25日高値1029円から1月21日安値866円と調整、2月12日安値878円と下値を確認し上昇。3月29日は3月権利落ちに押したが、25日移動平均線をサポートラインに切り返し同23日につけた上場来の高値1042円を更新している。29日に成立した2016年度予算と税制改正関連法は子どもを持つ女性や高齢者も働きやすい「一億総活躍社会」を掲げ、保育園や介護施設の増設などに2.4兆円を投じる見通しで、ベッドからの転落事故を防ぐ新しい発想の介護ベッド「超低床フロアーベッド」の生産はさらに拡大との期待が膨らんでいる。政策関連で17年3月期2ケタ増益が観測されているほか、信用取組倍率0.23倍の売り長の好需給となっており、押し目買い優位に上値を伸ばす公算が大きい。(株式評論家・信濃川)

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