【チャート診断】山下医科器械が年初来高値、九州で断トツ、地域医療に貢献で売上伸長に加速

チャート診断

 山下医科器械<3022>(東1・100株)は、全般相場が下げる中で3月31日に1850円と年初来高値を更新した。1日(金)は1781円と反落だが、今5月期に期末一括44円(前期は43円)の配当権利付きで好利回りから押し目買いが活発だ。

 九州が地盤の医療機器販売会社だが、「トータルメディカルサポート企業」としてディーラーの域を超えて地域医療に貢献、九州での売上シエアは直近で14.2%(会社側)とトップである。300億円台の売上が続いていたが、2011年5月期に400億円台に乗せ、2014年5月期には500億円台に乗せるなど成長が加速している。MRI、CTなど画像診断装置、内視鏡システム、手術関連、カテーテル、さらにSPD事業(病院医療材料管理)の拡大が寄与している。現在、長崎県諫早市に物流センターとSPDセンターの機能を併せもつ長崎TMSセンターを今年9月完成目標で建設中で完成すれば商品流通対応力が大きくアップする見通しだ。

 昨年9月、改正医療法が成立し複数の医療法人を一体化する「地域医療連携法人」制度が創設され、今後、大病院において共同で医療機器調達が進むものとみられ最大手の同社には追い風といえる。

 今5月期は投資負担で営業利益は2.5%減の5億2500万円と小幅減益見通しだが、売上げは2.9%増の517億7400万円と伸長見通し。とくに、今後、医療番号制度の導入も予想され売上の伸びは加速しそうである。

 株価は26週線の上に位置し買方の回転が利いている。1日(金)の終値1784円は今期予想EPS143.5円に対しPERが12.4倍、配当利回りは2.46%と、共に割安水準だ。九州本社ということで知名度と馴染みの部分で評価不足のところがあるだろう。地域医療を担う有望銘柄として中期買い場といえる。少し長い目でみれば上場来高値2680円(15年2月)挑戦が期待できるだろう。

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