【編集長の視点】ランドコンピュータは配当権利落ち後安値も業績期待を高めて内需系バリュー株買いの再燃が有力
- 2016/4/8 10:37
- 編集長の視点
ランドコンピュータ<3924>(東2)は、52円安の1708円と10営業日続落して始まり、配当権利落ち後の安値を確かめる動きを続けている。きょう8日に日経平均株価が、円高進行や海外株安を嫌って258円と反落してスタートしていることから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ安値後は、今年3月17日に目下集計中のIPO(新規株式公開)後の初本決算となる前2016年3月期業績の上方修正と増配を発表し、この決算発表を5月11日に予定しており、続く2017年3月期業績の続伸や連続増配が観測されていることから、下値に内需関連の割安株としてバリュー株買いの再燃を期待する買い物も交錯し、下げ幅を縮めている。前期業績の上方修正要因の一つに電力小売完全自由化案件の堅調推移が上げられたことも、4月1日からスタートした同自由化関連のテーマ株人気を高めそうだ。
■集計中の前期業績はIPO時予想を上方修正し配当も実質大幅増配
目下集計中の同社の2016年3月期業績は、昨年12月のIPO時の予想値より売り上げを2億3000万円、営業利益を8900万円、経常利益を4900万円、純利益4400万円それぞれ引き上げ、純利益は、3億2600万円(前期比42.9%増)と続伸し前期の過去最高を大幅に更新する。金融分野では、ネットバンク案件や保険向けが堅調に推移し、産業流通分野では、電力小売完全自由化案件が堅調に推移したことなどが要因になっている。
この前期業績は、今年5月11日に発表が予定され、続く2017年3月期業績の動向については、その際の開示を待たなくてならないが、続伸観測が有力になっている。システムインテグレーション事業でマイナンバー関連や金融系の大型案件が堅調に推移する好環境が続いており、創業45年の老舗企業として既存顧客とのパートーナーシップを強化し、新規顧客を開拓することが寄与する見込みで、東洋経済会社四季報最新号でも、純利益が、連続過去最高更新と観測されている。
配当も、前期にIPO時予想の年間45円から50円に増配し、2015年8月3日付けで実施した株式分割(1対5)を勘案して前々期の60円に対して実質的に大幅に増配したが、今2017年3月期も、東洋経済会社四季報最新号では増配含みとしており、連続の株主利益還元策への期待を高めている。
■PERは8倍台と割安で戻り高値抜けからリバウンド幅拡大に再発進
株価は、昨年12月のIPO時の高人気が、年明け後は世界同時株安の波及で下値を探る展開となった。公開価格1760円に対して3580円で初値をつけ上場来高値4005円まで買い進まれ、上場来安値1235円まで調整した。同安値からは、下げ過ぎとしてストップ高するとともに、業績上方修正・増配、さらに配当権利取りが加わり2240円の戻り高値をつけスンナリ配当権利を落とした。PERは8倍台と割安であり、3月の戻り高値抜けから一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)