【編集長の視点】アイドママーケティングコミュニケーションは急反発し上場来高値を射程、セカンダリーで好業績を見直し割安直近IPO株買いが再燃

編集長の視点

 アイドママーケティングコミュニケーション<9466>(東マ)は、56円高の1189円と急反発して始まり、前日12日取引時間中につけた上場来高値1333円を射程圏に捉えている。同社株は、3月18日に公開価格1440円で新規株式公開(IPO)され、初値を1230円でつけ1250円と上ぶれたあと、上場来安値971円と売られるなど初値形成はやや不調となったが、セカンダリーでは目下集計中の2016年3月期業績が、2ケタ増益となり、純利益に至っては2倍増と大きく続伸すると予想されていることを見直し割安直近IPO株買いが再燃している。同社の統合型販促支援事業の潜在市場規模が約3000億円と推定されていることも、改めて買い材料として意識されている。

■独自モデルの統合型販促支援サービスの潜在市場は約3000億円

 同社の2016年3月期業績は、IPO時に売り上げ71億1800万円(前期比8.3%増)、営業利益7億4100万円(同54.7%増)、経常利益7億2400万円(同49.9%増)、純利益4億8700万円(同2.06倍)と予想され、このIPO後初決算の発表を今年5月上旬に予定している。食品スーパーやドラッグストアーに特化してマーケティング分析から企画・制作、デザイン制作までトータルでサポートする統合型販促支援サービスを展開しており、競争の激化している流通小売業界で顧客店舗側のニーズが高まっていることが、受託料の拡大につながり好業績要因となっている。

 しかも、このマーケティング手法は、消費者ニーズの把握とプロモーション能力の向上を図るべく、「売り場」の論理よりも「買い場」の論理を重視し、BIGデータやPOS(販売時点情報管理システム)データの分析、トレンド情報の解析、家計・地域特性データの調査などにより精度を高めるとともに、販促デザインも、自社でクリエイティブで効率的に制作する独自ビジネスモデルを確立している。スーパーマーケット・ドラッグストアの合計市場規模は、約20兆円に達し、この平均販促費比率は1.5%となっており、同社の統合型販促支援事業の潜在市場規模は、約3000億円と推定され、今後も同事業の拡大余地は大きく、続く2017年3月期業績の好展開も想定範囲内となる。

■PERは14倍台と評価不足で「小さく産んで大きく育てる」絶好のチャンス

 株価は、3月18日のIPOが6社同時のラッシュとなったことも響いて公開価格を下回って推移する展開が続き、ようやく前日に上場来高値1333円をつける出直りを鮮明化してきたが、PERはなお14倍台と評価不足となっている。IPO株の投資セオリーは「小さく産んで大きく育てる」とされており、このセオリー通りにまず公開価格を奪回しさらに一段の上値チャレンジを強める展開を先取る絶好のチャンスとなりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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