【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ブイキューブは水準切り下げたが売られ過ぎ感、中期成長力を評価して反発のタイミング

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 Web会議システム首位のブイキューブ<3681>(東マ)の株価は、水準を切り下げて1月9日に1371円まで調整した。しかし特に個別の悪材料は見当たらず売られ過ぎ感を強めている。今期(15年12月期)の大幅増収増益が期待され、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。

 TV会議・Web会議・オンラインセミナー・営業支援・遠隔教育・遠隔医療・映像配信といったビジュアルコミュニケーションツールおよびソリューションサービスの企画・開発・販売・運用・保守を企業向けに提供している。

 Web会議「V-CUBE」はWebカメラ、ヘッドセット、ネット環境があれば世界中いつでも、どこでも、だれでも、スマートフォンやタブレット端末でも利用可能なビジュアルコミュニケーションサービスである。200社以上の国内販売パートナーと連携して4000社を超える納入実績を持ち、国内Web会議市場で7年連続首位を達成している。

 主力のクラウド型はサービス提供に伴う月額利用料、官公庁や金融機関向けが中心のオンプレミス型はサーバ・ライセンス販売に伴う導入費用や月額保守料が収益柱である。14年9月には、1契約でV-CUBEミーティングやV-CUBEセミナーなどのサービス群から最適なサービスを選択して利用できる「V-CUBE One」と、知名度向上に向けた無料の法人専用テキストチャットサービス「V-CUBE Gate」の提供を開始した。

 ビジュアルコミュニケーション市場は、オンラインミーティングやオンラインセミナーなど国内外で拡大基調が予想され、中期成長戦略として国内シェア拡大と潜在市場開拓、アジアNO.1を目指した海外展開、B2B2C型プラットフォームモデルの展開を推進している。海外は米国、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、香港、中国に展開し、14年3月には韓国でもサービスを開始した。

 国内シェア拡大と潜在市場開拓に向けて、14年5月にパイオニア<6773>の子会社でオンプレミス型Web会議システム国内首位のパイオニアソリューションズ(現パイオニアVC)を子会社化し、10月に同社のビジュアルコラボレーションサービス群を「xSync(バイシンク)」ブランドに統一した。

 パイオニアVCが強みを持つ電子黒板システムを中心とする文教分野では、教育のIT化に向けた環境整備4ヵ年計画で市場拡大が予想されている。パイオニアVCの協働学習支援システムは、14年春から佐賀県が全県立高校に導入した「1人1台の学習者用パソコン」8507台に採用され、11月には滋賀県草津市が全小中学校に導入したタブレット端末3200台の授業活用に採用されている。

 B2B2C型プラットフォームモデルでは14年3月、受講者に対して有料オンライン講座や有料オンラインセミナーなどを課金ライブ配信できるマーケットプレイス「V-CUBE MARKET」を開始した。

 業界特化ソリューションの拡大やアライアンス戦略も強化している。14年3月にはエムスリー<2413>と合弁でエムキューブを設立して、メディカルヘルスケア分野の業界特化ソリューションを強化している。

 14年6月には大日本印刷<7912>とデジタルサイネージやWeb会議システムなどを連携した業務効率化支援サービスで提携し、7月にはビットアイル<3811>とビジュアルコミュニケーションサービス領域において協業した。10月にはパイオニアVC、大日本印刷、日本ユニシス<8056>の3社が災害危機管理ソリューションで協業し、11月にはワイヤレス・ブロードバンドサービスを提供するワイヤレスゲート<9419>と包括的業務提携した。

 前期(14年12月期)の連結業績見通し(パイオニアVCの連結子会社化に伴って3月24日に売上高を増額修正)は、売上高が前々期比86.3%増の47億05百万円、営業利益が同90.6%増の5億27百万円、経常利益が同2.0倍の5億34百万円、純利益が同40.1%増の3億22百万円としている。

 第3四半期累計(1月~9月)は前年同期比86.3%増収、同52.9%営業増益、同2.1倍経常増益、同1.7%最終増益だった。特別損失に自己新株予約権評価損を計上したため純利益は小幅な伸びだが、クラウド型サービスの伸長やパイオニアVCの新規連結で大幅増収となり、営業外での為替差益も寄与して営業利益と経常利益は大幅増益だった。

 クラウド型、オンプレミス型、アプライアンス型(小中学校向け電子黒板)とも拡大基調であり、今期(15年12月期)はパイオニアVCの通期連結(前期は5月~12月の8ヵ月分を連結)も寄与して大幅増収増益が期待される。中期経営目標値としては売上高100億円、経常利益30億円の早期達成を掲げている。ビジュアルコミュニケーションサービス市場は拡大基調であり、競争力の高さ、規模の優位性、積極的な事業展開などで中期成長期待が高まる。

 株価の動き(15年1月1日付で株式2分割)を見ると、14年10月以降は概ね1600円~1900円近辺のレンジで推移していたが、12月中旬以降に水準を切り下げる展開となり1月9日には1371円まで調整した。しかし特に個別の悪材料は見当たらず売られ過ぎ感を強めている。

 1月9日の終値1376円を指標面(株式2分割後)で見ると、前期推定連結PER(会社予想に株式2分割を考慮した連結EPS35円24銭で算出)は39倍近辺、前々期実績PBR(前々期実績に株式2分割を考慮した連結BPS415円46銭で算出)は3.3倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超えて売られ過ぎ感を強めている。中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。

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