【編集長の視点】ウイルプラスHDは最安値水準から続伸、増益転換業績・初配当を見直し下げ過ぎ直近IPO株買いが増勢
- 2016/4/20 10:03
- 編集長の視点
ウイルプラスホールディングス<3538>(JQS)は、13円高の1231円と続伸して始まり、今年4月7日につけた上場来安値1142円に並ぶ安値水準から出直る動きを強めている。同社株は、今年3月24日に公開価格1880円で新規株式公開(IPO)され、一度も公開価格を上回らない低調な株価推移を続けてきたが、今6月期の増益転換予想業績や初配当予定からは、下げ過ぎとして直近IPO株買いが増勢となっている。今年4月14日から群発している熊本県を中心とした大地震では、福岡県に展開している13店舗、14カ所の販売拠点への被災波及も懸念され、最安値を再び試す株価下ぶれもあったが、同販売拠点が通常通りに営業活動を続けていることを確認し、買い安心感につながっている。
■ニューモデルやフルモデルチャンジ車の新車効果が寄与して販売台数が増加
同社の今6月期業績は、売り上げ201億7600万円(前期比5.8%増)、営業利益8億1900万円(同16.1%増)、経常利益7億7300万円(同14.9%増)、純利益4億5000万円(同8.2%増)と予想され、配当も、28円が予定されている。輸入車販売拠点を福岡県、東京都、神奈川県に展開し、フィアット、アルファロメオ・アハルト、クライスラー・ジープでは全国トップシェアを誇っており、昨年9月以降にジープ、フィアット、BMWのニューモデルやミニ、ボルボなどフルモデルチェンジ車を相次いで発売しこの新車効果や、2014年10月にオープンした藤沢湘南店の通年寄与などから車両販売が増加し、車両整備部門の17名を含む47名の人員増負担などをカバーして増益となる。
国内の輸入車市場は、フォルクスワーゲンのディーゼル車排ガス不正問題によりブランドイメージが悪化し、昨年2015年は販売台数は減少したが、乗用車の新車登録台数に占めるシェアは、10.8%と拡大しており、今後は、シェア20%まで伸びるとも観測されており、業界シェア第1位のイタリア車のほか、アメリカ車でも全国トップクラスとなっている同社の今後の業績続伸も有力視される。
■PERは5倍台、PBRはちょうど1倍で「小さく産んで大きく育てる」仕込み妙味を示唆
株価は、公開価格1880円を151円、8%下回る1729円で初値をつけ1798円と上ぶれたあと、1405円と調整、下げ過ぎとして1595円とリバウンドしたものの、4月以降の全般相場の記録的な続落とともに上場来安値1142円へ突っ込み、底固めを続けてきた。今回の熊本地震発生では、1178円安値で下値を再確認した。PERは5倍台、PBRはちょうど1倍、配当利回りは2.27%と割り負けており、IPO株の投資セオリーの「小さく産んで大きく育てる」通りに絶好の仕込み妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)