【編集長の視点】ハイアス・アンド・カンパニーは最高業績を見直し震災復興需期待も上乗せして急反発
- 2016/4/25 09:47
- 編集長の視点
ハイアス・アンド・カンパニー<6192>(東マ)は、37円高の1709円と急反発して始まっている。同社株は、今年4月5日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、そのIPO後の初決算となる今4月期業績が、大幅増益転換して過去最高を更新するのを見直し直近IPO株買いが再燃している。加えて同社が提供している液状化対策工法を含むエコ型地盤改良工法「ハイスピード」や地盤保証事業が、今年4月14日に発生しなお余震が続いている熊本地震向けに会員企業の中小工務店ともども震災復興需要が期待できるとして、関連株買いも上乗せとなっている。
■地盤改良工法「ハイスピード」や地盤保証事業「BIOS」に脚光
同社の今4月期業績は、売り上げ32億6600万円(前期比21.6%増)、経常利益2億4600万円(同2.49倍)、純利益1億5600万円(同3.28倍)と予想され、売り上げは続伸するとともに、利益は大きく増益転換し、経常利益は、2期ぶりに過去最高を更新する。会員企業の中小工務店向けに省エネ・高機能注文住宅「R+house」の施工や部材・工法を提供するビジネスモデルパッケージ事業と、原価管理システムなどを提供する経営効率化パッケージ事業を展開して住宅・不動産業界のイノベーションをリードしており、ビジネスモデルパッケージ事業では、毎年コンスタントに天然砕石を使用した地盤改良工法「ハイスピード」などの新商品を提供し、ビジネスモデルパッケージ事業では、会員企業の増加が続き、今年1月現在で1197社に達し、全国ネットワークを構築していることなどが要因となっている。
熊本地震では、関連会社ansの帯山店、流通団地店との被害は軽微にとどまり、個人資産の7割を占める住宅・不動産の維持・向上を図ることを目指す企業理念に基づき、会員企業の中小工務店が必要とする資材の提供に努め、復旧・復興支援を開始しており、今後、エコ型地盤改良工法「ハイスピード」や連結子会社の一般社団法人住宅不動産資産価値保全保証協会が2014年11月に開始した地盤保証事業「BIOS」などへの関連需要が見込め、会員企業の拡大につながることになる。
■3分の2押し水準から復興需要本格化をテコにリバウンド幅を拡大
株価は、公開価格950円に対して2.89倍の2750円で初値をつけ上場来高値2829円まで買い進まれる高人気となり、反動安で上場来安値1467円へ突っ込んだが、同安値から熊本地震関連人気でストップ高を交えて2087円の戻り高値をつけ、この急伸幅の3分の2押し水準で再度、下値を確認した。震災関連の復旧・復興需要は、地震そのものが終息し、関連の補正予算が成立後に本格化するほか、全国的にも地盤改良工事需要が高まるだけに、一段の戻りを試す展開が有力であり、戻り高値抜けから初値を奪回、最高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)