【編集長の視点】丸八HDは反落も上方修正した連続過去最高の初決算を手掛かりに割安直近IPO株買いが再燃余地

編集長の視点

 丸八ホールディングス<3504>(名2)は、12円安の843円と4営業日ぶりに反落して始まっている。同社株は、今年4月8日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、初決算となる2016年3月期業績を4月22日に上方修正したことを評価して株価が急伸、今週末から大型連休が始まるのを前に定石通りの4日目売買で目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ今回の業績上方修正では、IPO時の減益転換予想が増益となり連続して過去最高を更新することになり、これを手掛かりに下値には割安直近IPO株買いの再燃を期待する買い物も続いている。すでに配当権利落ちとなっているが、2016年3月期配当が、30円(前期実績27円)に増配が予定され株主への利益還元策に前向きであることも再評価されよう。

■対豪ドルの為替差損が3割減少し主力の寝具・リビング用品販売は順調に推移

 2016年3月業績は、IPO時予想より売り上げを9300万円、営業利益を6000万円、経常利益を3億2300万円、純利益を4億2300万円それぞれ引き上げ、売り上げが221億1300万円(前期比5.6%増)、営業利益が20億8100万円(同92.6%増)とそれぞれ増収増益幅を伸ばし、経常利益は18億5100万円(同7.5%増)、純利益は14億2400万円(同13.1%増)とIPO時予想から各増益転換し、前期の過去最高を連続更新する。営業外費用で豪ドル建金融資産の評価替えなどで9億8600万円の為替差損の計上を見込んでいたが、その後の為替差変動により差損額が予想より約3割減少することが、直接の上方修正要因となっている。

 同社の本業の寝具・リビング用品事業は、順調に推移している。同事業は、製品企画から原材料調達、製造、販売、クリーニング、リサイクルまでを自社で一貫して行い、とくに販売は、販売員が直接顧客を訪問するダイレクトセールを中心としている。ダイレクトセールの顧客リストは、創業以来の蓄積で約230万件に達し、このリピート販売が約9割を占め、年間契約数は、クリーニングを含めて約11万件となっている。また卸売部門では、世界的な家具大手Ikea向けの毛皮リビング用品(ムートンラグ)、レンタル部門では、訪日外国人観光客の増加を背景にホテル・旅館向けの販売などが好調に推移している。

■PER8倍台、PBR0.2倍の割安修正で最高値抜けから上値チャレンジ

 株価は、公開価格680円に対して757円で初値をつけ即ストップ高し、上場来高値936円まで買い進まれ、800円台を固める動きを続けてきたが、業績上方修正とともに再発進、上場来高値を窺う動きを強めた。PERは8倍台、PBRは0.27倍と割安で、さらに権利落ちとなっているが、配当利回りは3.55%と市場平均を大きく上回っており、最高値抜けから上値チャレンジに拍車が掛かろう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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