【編集長の視点】ジャパンミートは反落も初値水準の下値には2ケタ増益業績を見直し内需系の直近割安IPO株買いが継続

編集長の視点

 ジャパンミート<3539>(東2)は、45円安の1062円と急反落して始まっている。きょう2日の日経平均株価が、円高・ドル安の進行とともに690円安と続急落してスタートしていることから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ今年4月21日のIPO(新規株式公開)時につけた初値1040円を前にする下値では、IPO後の初決算となる今7月期業績が、2ケタ増益で過去最高更新と予想されていることを手掛かりに内需系の割安株として直近IPO株買いが継続しており、寄り付きの安値からは下げ幅を縮めている。また、今期配当は、現在のところ未定としているが、実施を予定しているとしており、配当期待から配当催促の動きも伴っている。

■「肉のハナマサ」などの来店者数などは好調に推移し現在未定の今期配当にも期待高める

 今7月期業績は、売り上げ958億700万円(前期比4.7%増)、営業利益43億2400万円(同24.4%増)、経常利益43億300万円(同21.0%増)、純利益26億9400万円(同45.3%増)と大幅続伸が予想され、過去最高を更新する。茨城県を地盤とする食品スーパーとして、今年2月末現在でジョイフル本田<3191>(東1)のホームセンター内に「生鮮館」を13店舗、ロードサイドに「卸売市場」を8店舗、さらに2013年9月に買収した業務用スーパー「肉のハナマサ」を50店舗などを展開し、消費者の節約・内食志向が続くなか、商品販売戦略の奏功から来店者数、買い上げ点数とも前期を上回って推移しており、「卸売市場」で鳩ヶ谷店を新規出店し、休店していた「肉のハナマサ」芝浦店を新装開店、仕入れ価格の交渉や購買タイミングを重視し採算の確保を図っていることが寄与する。

 配当は、今年2月1日付けで実施した株式分割(1対100)以前の前7月期に100円として実施、今期も株主への利益還元を経営上の重要課題として認識しているとしているが、IPO時には未定とした。決算期の進行とともに、配当期待が高まってくる。

■PERは9倍台と評価不足で「小さく産んで大きく育てる」絶好のチャンス

 株価は、公開価格1010円に対して1040円で初値をつけ上場来安値995円と下ぶれ、上場来高値1210円と切り返したあと、初値水準でのもみ合いを続けるなどIPO株人気は限定的となった。上場市場が、IPO株人気の薄い東証第2部で、業態もオールドエコノミーに属することが要因となった。ただPERは9倍台と評価不足で、デフレ関連株の一角も占めており、IPO株の投資セオリーの「小さく産んで大きく育てる」絶好のチャンスを示唆している。最高値抜けから上値チャレンジに拍車を掛けよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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