【狙い場・買い場】エレコムはまもなく16年3月期決算発表、6期連続の増収増益を見直す相場に

狙い場・買い場

 エレコム<6750>(東1・100株)の2016年3月期本決算は、昨年同様ならば5月10日前後の発表となる。2月発表の第3四半期では、前年同期比較で売上は7.0%増の610億2000万円、純利益は同12.0%増の38億2200万円。特に利益は予想を大きく上回った。通期会社予想は売上、純益ともに去年に続き過去最高だが、達成は問題なさそうだ。16年3月期のEPSは113.5円の見通し。

 エレコム社の製品といえば、パソコンのマウスやUSBで身近なものが多い。BCNアワードではマウスやUSB部門では、2001年から2015年まで15年連続トップとなっていてトップシェアだ。BCNアワードとはパソコン・デジタル家電の量販店での販売数ランキング。パソコン関連は市場の縮小が進むなか、0.4%増と売上を維持している。強みを生かした分野でニーズに合った新製品で売上を確保している。代わって台頭した市場といえば、スマートフォンやタブレット市場。エレコム社もこれらの関連商品は前年同比6.8%増と伸長している。

 社会情勢も需要に変化をきたしている。来日訪問客の増加により、ホテルなどでのwa-fi環境整備を求める声は強まっている。来期以降も需要は続くだろう。また、マイナンバー制度によりセキュリティ強化の意識も高まっている。USBメモリーなど盗難のためにパスワードを設定すると、日常の作業が煩わしい。登録しているパソコンでは暗証番号不要など、快適と安心を両立した製品もラインナップしている。

 株価は5月2日終値で1883円。短期では2月半ばから4月半ばまでは上昇チャートを描いており、4月14日には2229円まで上げた。昨年10月の分割後は1650円が高値だったが、短期で一気に上抜けた。上昇直前の2月19日の1413円からみても、2カ月足らずで1.5倍以上の上昇。直近の動きは、短期上昇による過熱からの調整感が強い。下値の見極めは慎重に行いたいが、本決算発表では6期連続増収増益は手堅そう。4月高値の更新を視野にいれ仕込みたいところ。

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