【業績でみる株価】川本産業自主回収費は想定未満、増額修正の川本産業300円台回復に期待

業績でみる株価

 川本産業<3604>(東2・100株)が5月2日に2016年3月期の増額修正を発表した。昨年10月に一部商品の自主回収を発表していたが、回収費用が想定より少なくおさまった結果となった。修正後の業績予想は、売上高267億6500万円(修正額3億6500万円増)、営業利益2億2200万円(同6200万円増)、経常利益2300万円(同8300万円増)、純利益5億300万円赤字(同1億2600万円増)。経常利益は黒字に浮上した。

 ガーゼやマスクなど、一般・医療用ともに名が通っている衛生用品の大手。これらの衛生用品は多くの人々が昔からお世話になっているが、花粉症、介護の口腔ケア、ノロウイルスなどの感染症でより親密な存在になった。ウェットガーゼのお口拭きなど、新しい製品も増えている。取り扱う製品の特性上、「安全・安心」は重要のテーマ。回収などの騒ぎは、修正のたびに事態が悪くなるのが一番よくない。想定より少なくおさまったのは、会社として製品に対し真剣に向き合ったと言えるだろう。

 株価は5月2日終値で247円。300円台の相場が長期続いていたが、2月9日に300円を割り込んでいる。自主回収による特損が織り込まれた第3四半期決算発表が、あったためだ。以後、2度ほど相場中に300円台をつけているが、戻りきれていない。製品の自主回収の状況がわかれば、不安材料も取り除かれ戻りだすかもしれない。今回の増額修正が300円回復の材料となりそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る