【どう見るこの相場】よく下げる日経平均の行方
- 2015/1/14 16:33
- どう見るこの相場
■日経平均は2013年高値後1年半モミ合った時と似てきた、モミ放れには起爆剤必要
<Q>今日も安いようだが。
<A>日経平均は2日間で約400円超下げている。とくに、このところの動きは荒い。昨年12月以降でみても27営業日中、200円を越える上げ下げの日が10日間もある。かなり珍しいケースといえる。
<Q>なぜか。
<A>強弱感が対立しているためと思われる。強気はアベノミクス第3章を期待して日経平均2万円のスタンスを崩していない。一方、慎重派は景気のモタつきを理由に上値買いには慎重で、短期筋は空売りを仕掛けている。下げれば年金等の買いが入るが、上値を買う人がいないため一定の水準で上げ下げの荒い動きとなっている姿だ。年初のアンケート通り、1万6000円~1万8000円のボックス相場の展開といえる。
<Q>出来高などはどうか。
<A>12月以降、東証1部の出来高が30億株を超えたのはわずか1日間だけだ。足元では20億株前後にとどまっている。昨年11月は出来高52億株の日が出現するなど大商いだったのに比べると様変わりだ。売買代金も2兆円前後にとどまっている。薄商いの中を一定のボックスの中で短期マネー中心の展開といえる。
<Q>円相場も一部で1ドル・160円という見方もあるようだが。
<A>足元では1ドル・117円台へ円高が進んでいる。いずれアメリカの金利が引上げとなればドル高・円安が予想され160円という可能性も否定できない。足元では欧州のデフレ色から量的緩和が実施される方向にありユーロ安から円高という流れにもなっている。22日のECB委員会で金融政策が決まれば円高も収まるのではないか。
<Q>こうした状況はいつまで続くのか。
<A>日経平均は12月8日に1万8030円の高値があるが、注意深く見れば昨年11月4日から1万6700円~1万8000円での約1300円幅のモミ合いが続いている。円相場が一部で言われているような160円に行く可能性が高まるか、GDPがプラスに転じる、といった展開にならない限りモミ合いが続く可能性はありそうだ。振り返ってみると2013年5月高値のあとほぼ1年半にわたって大きくモミ合っている。景気のモタつきということでは今と似ている。このときは昨年10月末の異次元金融緩和がモミ放れの手掛かりとなった。今回もこうした起爆剤が欲しいとことといえる。