【編集長の視点】東洋電機は2Q業績が上ぶれ着地も通期営業利益の下方修正を嫌って急反落

編集長の視点

東洋電機製造<6505>(東1)は、13円安の403円と3日ぶりに急反落して始まっている。前日14日大引け後に今5月期第2四半期(2Q)累計決算を発表、今年1月10日の観測報道通りに経常利益が、期初予想を上ぶれ前年同期比3.2倍と大きく続伸して着地したが、5月通期営業利益を下方修正したことを嫌って利益確定売りが先行している。下値では、通期の経常利益、純利益を期初予想の据え置きとしたことで強弱感が交錯している。

■交通事業の受注高が内外で好調に推移し売り上げは32%増

2Q累計業績は、売り上げが期初予想を5億6500万円上ぶれ前年同期比20.5%増となり、営業利益は逆に1500万円下ぶれ2.7倍増益となったが、経常利益は2億7300円上回って3.2倍増益、純利益も1億6500万円アップさせて9.0倍増益と大きく続伸した。交通事業の受注高が、国内・海外とも増加して前年同期比18.2%増、売り上げも32.2%増と伸びて、産業事業の自動車開発用試験機向けや情報機器事業の駅務機器向け、遠隔監視機器向けなどの受注減少をカバー、営業外収益に為替差益を2億5000万円を計上したことなどが上ぶれ着地要因となった。

3月通期業績は、売り上げ、経常利益、純利益を期初予想の据え置きとして売り上げ400億円(前期比14.4%増)、経常利益21億円(同2.0倍)、純利益12億円(同86.2%増)と見込んでいるが、営業利益は、交通事業の開発費、設計費の先行計上が続き、情報機器事業の受注も、厳しく推移しているとして期初予想を3億円引き下げて18億円(同67.3%増)と連続増益率を縮小させる。

■目先売り一巡後にPER16倍台、PBR1倍ソコソコの割安修正で高値奪回に再トライも

株価は、前期業績が期初予想を下ぶれて着地したものの、今期業績の大幅続伸を予想したことを評価して昨年来高値479円まで買い進まれ、今期第1四半期業績が連続赤字となったことが響いて362円まで調整、下げ過ぎとして400円台を出没する中段固めを続け、2Q累計業績の上ぶれ観測報道で上値を窺った。PERはなお16倍台、PBRは1倍ソコソコと割安であり、目先売り一巡後になお高値奪回への再トライも想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る