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【アナリスト水田雅展の銘柄診断】ストリームは売り一巡して下げ止まり感、収益改善基調を評価して反発のタイミング
- 2015/1/15 07:13
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
家電やパソコンなどのネット通販サイトを運営するストリーム<3071>(東マ)の株価は、高値圏500円近辺のモミ合いから下放れて急落したが、230円~250円近辺で下げ止まり感を強めている。売りが一巡した形であり、収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。
家電製品、パソコン、デジタルカメラなどを販売するネット通販サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」の運営を主力として、14年2月には扶桑化学工業<4368>から化粧品・健康食品の無店舗販売を展開するエックスワンの株式80%を取得して連結子会社化した。他社のネット通販を支援するネット通販支援事業(ECサイト運営業務代行サービス)や、アライアンス戦略によるオンラインゲーム事業も強化している。
14年6月には中国のネットサービス企業集団5173.Comとソーシャルゲームおよびeコマースに関して業務提携し、8月に中国ネットゲーム事業の第1弾としてスマホ専用ゲーム「三国志戦姫」について、DMM.comラボとゲームソフトウェアライセンス契約を締結し、5173.Comを通じて中国向けに独占配信すると発表した。
14年11月には、5173.Comの子会社Licheng(H.K.)Technology Holdings Limited(投資事業および5173グループの中国におけるゲーム事業の統括会社で、14年9月に当社発行の第6回新株予約権を行使、14年12月16日時点で当社の第2位株主)と、共同出資による新会社を設立すると発表した。中国製ゲームタイトルの日本への導入・マーケティングを展開する。
また14年9月にはラオックス<8202>と提携し、子会社エックスワンのコスメティック関連商品をラオックスの免税店で販売開始した。さらに14年12月には、エックスワンが新発売した幹細胞コスメ・シリーズ「XLUXES(エックスリュークス)」について、免税店舗での販売でラオックス独占とすることに合意した。
今期(15年1月期)の連結業績見通し(3月12日公表)は、売上高が前期比23.7%増の206億46百万円で、営業利益が3億79百万円(前期は1億63百万円の赤字)、経常利益が3億72百万円(同1億19百万円の赤字)、純利益が2億86百万円(同84百万円の赤字)の黒字化見通しとしている。
第3四半期累計(2月~10月)は前年同期比32.6%増収となり、営業利益は1億21百万円、経常利益は1億37百万円、純利益は1億66百万円で、いずれも黒字化した。市場価格への迅速な対応、仕入先とのデータ連携強化による取扱アイテム数の増加、在庫の適正化などの施策が奏功して、家電が同57.9%増収、パソコンが同3.3倍増収、周辺機器・デジタルカメラが同23.4%増収と好調だった。売上総利益率は18.4%で同6.1ポイント改善した。純利益はエックスワン子会社化に伴う負ののれん発生益も寄与した。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が72.7%、営業利益が31.9%、経常利益が36.8%、純利益が58.0%で利益進捗率が低水準だ。ただし四半期別営業利益を見ると第1四半期(2月~4月)88百万円の黒字、第2四半期(5月~7月)78百万円の赤字、第3四半期(8月~10月)1億11百万円の黒字となり、消費増税の反動影響が大きい第2四半期に対して、第3四半期は営業損益が大幅に改善した。通期ベースでも増収効果や売上総利益率改善で好業績が期待される。
ネット通販事業では販売促進策の強化、薄型テレビの大型画面化に伴う単価上昇、4K対応テレビへの関心の高まりに加えて、市場価格に迅速に対応できるシステム構築、仕入先とのデータ連携強化による取扱アイテム数の増加、販売効率の向上、販売価格の適正化と粗利益の確保、販管費圧縮などの施策を強化して収益は改善基調だろう。
なお14年8月1日付の株式5分割に伴って株主優待制度の一部変更を発表している。決算期末(1月31日)現在100株以上~2500株未満所有株主に対して優待割引券1枚(1000円相当)、2500株以上~5000株未満所有株主に対して優待割引券3枚(3000円相当)、5000株以上所有株主に対して優待割引券5枚(5000円相当)を贈呈する。
株価の動きを見ると、14年10月~11月上旬の高値圏500円近辺でのモミ合いから下放れて急落した。11月20日218円から12月3日330円まで一旦反発したが、再び水準を切り下げて12月24日210円まで調整した。14年9月高値540円まで急騰した反動のようだ。その後は230円~250円近辺で推移して下げ止まり感を強めている。
1月14日の終値235円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS12円19銭で算出)は19~20倍近辺、実績PBR(前期実績に株式5分割を考慮した連結BPS32円45銭で算出)は7.2倍近辺である。
週足チャートで見ると高値圏から大陰線を引いて急落し、52週移動平均線も割り込んで調整局面だが、急騰前の100円台まで下押すことなく、下げ止まり感を強めている。売りが一巡した形であり、収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。