【業績でみる株価】一蔵の上場後初決算33%増益と好調、「きものの日」背景に着物需要拡大で今期も好調、利回り4%、PER7倍

業績でみる株価

 一蔵<6186>(東2・100株)の2016年3月期は昨年暮れ上場後の初決算で7.2%増収、営業利益33.4%増益と好調だった。EPS144.8円、配当は年35円(期末一括)という好内容。17年3月期は今期から連結決算に移行、前期との比較はないがEPS123.3円、配当年35円の見通し。株価は昨年12月25日上場時初値が1236円、同じ日に高値1259円と上値を伸ばしたあと調整入り、4月8日には817円まで下げた。足元では900円前後まで戻してモミ合っている。

 16年3月期(単独)売上は7.2%増の140億0700万円だった。主力の和装事業(構成比率65%)が8.2%の伸長したほか、ウェディング事業(同35%)も5.5%増えた。営業利益は33.4%増の10億3800万円と大幅伸長。

 呉服業界は産地工房の職人の高齢化、ライフスタイルの変化などで市場の縮小傾向が続いていたが、昨今、振袖を中心としたレンタル需要や着方教室をきっかけに呉服販売が盛んになっている。とくに、最近は、着て楽しむという消費者層が増加、「所有」から「使用」へ変わっている。政府でも、「きものの日」の導入が検討されている。同社では振袖の販売・レンタル・成人式の前撮り写真撮影などに注力、好調である。初の連結となる17年3月期は売上155億4500万円(16年3月期単独140億0700万円)、営業利益10億7300万円(同10億3800万円)の見通し。今期配当性向は28.4%の見通し。

 株価は、去る10日に920円まで戻し足元では850~860円のモミ合い。上場後の高値からの調整は日柄で約5カ月、下落率で約35.1%。業績がよいことから値幅調整ではほぼ完了といえるが、日柄ではやや不足の感がある。利回りは4.0%と非常に高く、PERでも7倍前後と割安が目立つ。高値から6カ月経過の6月頃から本格出直りが見込めそうだ。860円前後は中期で好仕込み場といえる。

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