【木村隆の相場展望】国策に売り無しだが、利益確定売り先行の可能性

木村隆のマーケット&銘柄観察

(11月10~14日)

相場は迷っている。上値に行けばER16倍の壁が立ちふさがる。PER16倍は歴史的な水準のなかで割高ゾーンとなるだけに、上値買い進みには慎重な声が強い。それを回避する道がある。円相場の強調だ。2日の米国雇用統計の発表直前に円は115円60銭と、2007年11月1日以来およそ7年ぶりの円安・ドル高水準まで下落する場面があった。円安で企業業績が一段の水準アップに向かうとの見方だ。ただ、この証明には時間がかかる。

ミニ日経平均先物では4日の1万7200円が当面の高値だろう。この水準では利食いの売り物が強まっている。一部公的年金の利食いも指摘されている。もちろん下がったとこがあれば、押し目買いに動く可能性が強いが、ひとまず利益確定の売りを優先させている。

一方、買いの方は海外投資家の姿勢が高まっている。10月第5週(10月27日─10月31日)の海外投資家による日本の現物株と先物合計の売買は、1兆3681億円の買い越し(前週は374億円の売り越し)となった。今週に入っても裁定買いは続き、11月4日が6776万株増の20億8300万株、11月5日が1億8287万株増の22億2600万株の推移となっている。
国策に売り無しだが、利益確定売りはありということなのだろう(株式評論家)

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