【業績でみる株価】あじかんの営業利益回復、茨城に新工場建設で攻勢をかける、株価中期4ケタ期待
- 2016/5/19 10:03
- 業績でみる株価
あじかん<2907>(東2・100株)は5月13日に2016年3月期決算を発表。売上高398億2700万円(前年比6.9%増)、営業利益4億6100万円(同191.9%増)、経常利益4億3700万円(同17.6%減)、純利益2億3400万円(同6.5%減)。経常利益は為替予約の決済差益などの影響で減益となったが、営業利益は好調な売り上げに支えられ大幅増の結果となった。昨年と一昨年は堅調な売り上げに反して営業利益確保に苦しんでいたが、2016年3月期は大幅増となった。
巻き寿司や総菜の食品大手。第10次中期経営計画を打ち出し、「経営基盤の拡大」と「新事業の成長」を目標に掲げ収益改善に取り組んでいる。北海道や沖縄など新規エリアの開拓、ごぼう茶関連の新規商品ともに好成績。これらの結果、営業部門は売上高22.3%増と躍進した。生産面では自社製品の拡大や高い生産稼働率を達成し、材料高の環境の中で生産原価率を前年未満に抑えることで利益改善している。目標と結果が表れた決算内容と言える。また、巻き寿司普及のためのMAKIZUSHI倶楽部を開設。巻き寿司の豆知識や美味しい作り方がわかる。かわいい顔の巻き寿司や巻き寿司ソング、クイズもあり、子どもと一緒に観てみると面白い。
2017年3月期は売上高1.7%増の405億円で、400億円突破を目指す。営業利益は9億5000万円で105.9%と倍増の計画。2011年3月期には330億円の売上で10億円の利益を達成していたことから、実現可能な数字とみてよい。広島が発祥で西日本を中心に成長していたが、2016年3月期のエリア構成比は西日本49%、東日本47.9%となっている。2016年10月には茨城県に工場を建設し、主力の卵焼き類のエリア拡大と新規のごぼう茶を強化する。
5月18日の株価は750円台のモミ合い。直近一年は700円台半ばでの小幅な動きとなっている。2009年ごろからみても700円~800円台が続いて動きは少ない。上場高値は2004年の1260円。6期連続の増収を達成しており堅実な銘柄で、PBRも0.56倍と割安。下値は固い銘柄だ。訪日旅行客が2000万人を突破し、巻き寿司がインバウンド需要になる可能性も秘めている。中期展望なら1000円超えを期待してもよいだろう。