【編集長の視点】ランドコンピュータはもみ合いも連続最高業績・連続増配を手掛かりに割安株買いが下値に継続

編集長の視点

 ランドコンピュータ<3924>(東2)は、1円高の2740円と小幅ながら4営業日続伸して始まったあと、26円安と下ぶれるなど前日終値を挟んでもみ合いを続けている。きょう25日の日経平均株価が、円相場の強含みが響いて156円安と続落してスタートしたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が出ている。ただ下値には、今3月期業績の連続過去最高更新予想と連続増配を手掛かりに割安修正買いが依然として続いている。テクニカル的にも、上場来高値4005円から同安値1235円までの調整幅の半値戻しをクリアしたところで、相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」の期待を高めている。

■既存技術を強化しクラウドコンピューティングなど成長事業も積極推進

 同社の今2017年3月期業績は、売り上げ77億7000万円(前期比4.8%増)、営業利益5億7100万円(同2.4%増)、経常利益5億7200万円(同9.2%増)、純利益3億5500万円(同9.9%増)と続伸が予想され、前期の過去最高を更新する。前3月期業績が、金融分野では、ネットバンク案件や保険向けが堅調に推移し、産業流通分野では、電力小売完全自由化案件が堅調に推移したことなどから昨年12月の新規株式公開(IPO)時の予想から上方修正され増収増益率を伸ばして着地したが、今期は、これに加えて既存技術の強化とともに、第3のプラットフォームであるクラウドコンピューティングやスマートデバイスなどの成長力のより高い事業ドメインの開拓に積極的に取り組み、ビジネス基盤の構築を推進することが上乗せとなる。

 配当は、前期に前期業績の上方修正とともに前期配当をIPO時予想の年間45円から50円に増配し、2015年8月3日付けで実施した株式分割(1対5)を勘案した前々期の12円に対して大幅に増配した。今期は、配当性向を30%をメドとする株主還元政策に基づき年間54円に連続増配を予定し、うち中間配当も、27円として実施する。

■PERは15倍台とIT関連株として相対的に割安で「半値戻しは全値戻し」に拍車

 株価は、昨年12月に公開価格1760円で新規株式公開(IPO)され、3580円で初値をつけ上場来高値4005円まで買い進まれ、年明け後の全般相場の度重なる波乱の影響を受けて上場来安値1235円まで調整し、公開価格割れは下げ過ぎとしてストップ高と急反発、前期業績の上方修正・増配、期末の配当権利取りも加わって2240円高値をつけた。配当権利落ち後は、落ち後安値1708円から今期業績の連続最高更新予想、連続増配を評価して2750円の戻り高値をつけ、最高値から最安値への調整幅の半値戻しをクリアした。PERは15倍台とIT(情報技術)関連株として相対的に割安で、配当利回りも1.99%と東証第2部全銘柄平均をやや上回っており、相場格言通りに「半値戻しは全値戻し」へ拍車をかけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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