【編集長の視点】アクアラインは小幅続落も大阪ガスとの業務提携を手掛かり材料に割安株買いが下値に継続

編集長の視点

 アクアライン<6173>(東マ)は、4円安の1042円と小幅続落して始まっている。今2月期業績の連続した過去最高更新・増配予想で年初来高値1200円まで買い進まれ、25日移動平均線水準でのもみ合いで目先の利益を確定する小口売りに押されている。ただ下値には、今年5月16日に発表した大阪ガス<9532>(東1)との業務提携を見直し、同業では昨年11月の西部ガス<9536>(東1)に次ぐアライアンスで、中期成長戦略に弾みがつくとして割安株買いが続いている。前期業績が、今年3月に上方修正されストップ高したことも意識されている。

■自社運営の「水道屋本舗」強化に業務提携先拡大がオンして中期成長戦略に弾み

 大阪ガスとの業務提携は、大阪ガスが新たにスタートさせるサービス「住ミカタ・サービス」が提供する水まわりの修理サービスの一部を請け負うもので、大阪ガスサービスチェーンに対する作業応援や夜間などでの水まわり緊急修理作業の一部、水まわり修理の各種研修・教育と電話相談受付で、5月17日に事業を開始した。

 アクアラインの水まわり緊急修理サービス事業は、売り上げの約95%を占める主力事業で、同社の中期成長戦略では、自社運営の「水道屋本舗」の強化のほか、周辺業界とのアライアンスにより新規顧客や新規市場の開拓を図っており、すでに業務提携先は、ジャパンベストレスキューシステム<2453>(東1)、西部ガス、アクトコール<6064>(東マ)、プレステージ・インターナショナル<4290>(東1)などへ拡大している。今回業務提携した大阪ガスは、大阪府を含む近畿2府4県の79市、33町の725万2000件の顧客にガスやLPG、電力の製造・発電・供給・販売、ガス工事の受注などを行っており、アクアラインの中期成長戦略に弾みをつけることになる。

 一方、同社の今2月期業績は、昨年8月の新規株式公開(IPO)時予想を上方修正して着地した前期業績に続き、売り上げ40億900万円(前期比8.4%増)、営業利益3億3100万円(同0.6%増)、経常利益3億2500万円(同4.3%増)、純利益2億800万円(同7.1%増)と過去最高更新が予想され、配当も、前期の10円(前々期実績は株式分割勘案で3円)についで15円への連続増配を予定している。水まわり緊急修理事業での業務提携のフル寄与や、学校・ホテルなどの納品先のオリジナルブランドで製造するミネラルウォーターのプライベート商品販売も、次々に新規クライアントを獲得していることなどが寄与する。

■25日線を下値支持線にPER9倍台の割安修正で最高値奪回を視野

 株価は、公開価格1250円に対して1521円で初値を形成し、この直後につけた1563円を上場来高値として、その後に相次いだ世界同時株安の波及で上場来安値760円まで調整した。同安値からは、前期業績の上方修正でストップ高し、今期業績の続伸・連続増配予想も加わって1200円の戻り高値まで57%高した。足元は、25日移動平均線を挟む中段もみ合いとなっているが、PERは9倍台と割安顕著となっている。25日線に下値をサポートされつつ戻り高値抜けから公開価格を奪回し、最高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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