【編集長の視点】アカツキはもみ合いも連続最高業績に新タイトル「TSUBASA」配信もオンして再騰期待が根強い
- 2016/6/8 09:57
- 編集長の視点
アカツキ<3932>(東マ)は、50円高の4350円と3営業日ぶりに反発して始まったあと、70円安と下ぶれるなど前日終値を挟んでもみ合いを続けている。今年5月18日に上場来高値7430円まで急伸して目先調整場面で売り買いが交錯している。
ただ、下値ではレンジ形式で予想された今2017年3月期業績の上限が、上ぶれ着地した前期業績を大きく上回って連続して過去最高更新と予想されていることに加え、今夏にもコードネーム「TSUBASA」の新規タイトルがリリースされることへの期待感を強めて、ゲーム関連株買いは根強く続いている。
また同社株は、東証マザーズ市場の時価総額ランキングではトップ10にランクインしており、今年7月19日に新規上場される東証マザーズ指数先物に関連した需給好転思惑も、支援材料視されている。
■今期業績はレンジ予想の上限値での着地が有力で市場コンセンサスを上回る
同社の今期業績は、新規ゲームタイトルや新規事業の開発費用、4月から26人の新卒社員を採用した人材投資の業績面への影響も考慮してレンジ形式で予想され、売り上げ70億円~100億円(前期比17.6%増~67.9%増)、営業利益20億円~40億円(同6.8%減~86.3%増)、経常利益20億円~40億円(同1.3%増~2.02倍)、純利益14億円~28億円(同25.8%増~2.51倍)と見込まれた。上限値は、市場コンセンサスを大きく上回る。
前期業績が、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」の全世界で5000万ダウンロード(DL)数に達した大ヒットで今年3月の新規株式公開(IPO)時の予想業績を大きく上ぶれ営業利益が前々期比3.71倍と大幅増益で着地しており、今期利益もレンジ上限での着地期待が強い。「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」のほか、前期に940万DLを達成した「サウザンドメモリーズ」や同160万DLと伸びた「テイルズ オブ リンク」の既存タイトルが続伸するほか、今期は新規タイトルを3本リリース予定にあるからだ。
とくにこのトップバッターとして今夏にリリース予定の「TSUBASA」は、ゲームアプリの世界観やキャラクターを重視するコア・ゲーマーの「こだわり層」向けに過去、オリジナル・IP開発に携わった主力スタッフが集結して「青春」をキーワードに開発を進めており、リリースを前にして期待を高めている。同社は、この開発案件の「プロジェクトA」に続き、今期中に「プロジェクトB」、「プロジェクトC」の3本の新規タイトルのリリースを計画しており、今期業績が、レンジ予想の上限まで伸びるとの観測が強まっている。
■最高値後の一服場面は逆張り妙味を示唆し再三のストップ高示現の急騰特性を発揮へ
株価は、今年3月の新規株式公開(IPO)時に公開価格1930円を下回る1775円で初値を形成し、上場来安値1506円まで突っ込んだが、その後は、再三再四にわたるストップ高を交えて5030円まで大きく上昇した。同高値からいったん3915円まで調整したが、新規ゲームの事前登録開始で再騰、今期業績の大幅続伸予想で2日連続のストップ高と急伸して上場来高値7430円まで急伸した。
足元は、この急伸前の水準まで往って来いとなっているが、利益確定売り一巡後にも再発進は有力で、逆張り妙味を示唆している。東証マザーズ指数先物の取引開始もフォローして最高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)