【編集長の視点】富士ソフトサービスビューロはもみ合いも連続最高業績に積極的な中期計画の評価上乗せ

■底上げ期待が継続

 富士ソフトサービスビューロ<6188>(JQS)は、前日比変わらずの742円で寄り付いたあと、2円安と下ぶれるなど前日終値を挟みもみ合っている。ただ同社の今3月期業績は、連続して過去最高更新と予想されるうえに、今期から推進している中期経営計画で2019年3月期に売り上げ100億円、営業利益率4.0%以上と計画していることを評価して、今年5月2日につけた上場来安値698円からの底上げを期待する買い物が下値に続いている。テクニカル的にも、最安値をボトムに逆三尊チャートを形成していることも、買い手掛かりになっている。

■「トータル・アウトソーシング・サービス」の強みを活かし継続案件、新規案件とも順調

 同社の今2017年3月期業績は、売り上げ80億円(前期比1.7%増)、営業利益2億7000万円(同7.8%増)、経常利益2億7000万円(同6.9%増)、純利益1億7200万円(同5.5%増)と予想され、売り上げと営業利益は前期の過去最高を連続更新する。コールセンターサービスとBPO(業務処理の外部受託)サービス、IT(ウェブコンテンツ開発受託)サービスなどを一体的に提供する業界でも稀有のトータル・アウトソーシング・サービス企業として、官公庁や金融業向けなどに強みを持ち、この継続案件と新規案件が順調に推移しており、コールセンターサービスの継続案件のうち、今年1月には幕張コンタクトセンターを開設して受注した年金相談関連の新規業務がフル寄与し、BPOサービスでも、記帳データ入力業務や電力自由化に伴う各種入力業務が増加することなどが寄与する。

 一方、中期経営計画では、人口減少による慢性的な人手不足やネット社会進展によりアウトソーシング需要が拡大方向にあるとして、コールセンターサービスとBPOサービスを組み合わせた「トータル・アウトソーシング・サービス」の売上高構成比を前期の27%から2019年3月期に50%に高めるなどの成長戦略を推進し、売り上げも100億円と今期予想比で25%拡大し、営業利益率も今期予想の3.4%から4.0%へアップさせる。

■最安値をボトムに逆三尊チャートを形成しPER9倍台、配当利回り2.7%の割安修正へ

 株価は、今年3月に公開価格890円で新規株式公開(IPO)され、1010円で初値を形成し上場来高値1170円をつける順調なIPO状況となったが、初値後のセカンダリーでは全般相場の波乱の影響もあった下値の探る展開となり、上場来安値698円まで売られた。ただテクニカル的には同安値をボトムに720円~730円をネックラインに逆三尊チャートを形成し、底打ちを示唆している。PERは9倍台、PBRは1.04倍、年間20円配当の配当利回りも2.70%と下げ過ぎであり、公開価格抜けから初値回復、最高値奪回とリバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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