【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キーウェアソリューションズは12月安値から急反発して調整一巡、収益改善期待で出直り

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 システム受託開発やシステムインテグレーションのキーウェアソリューションズ<3799>(東2)の株価は、12月25日安値440円から急反発して1月8日の550円まで戻し、その後も500円近辺で推移している。調整が一巡して強基調に転換する動きだ。収益改善期待で出直り展開だろう。

 システム受託開発事業(公共システム開発、ネットワークシステム開発)、経営とITの総合コンサルティング事業(システムインテグレーション、ITサービス、サポートサービス)、その他事業(機器販売など)を展開している。

 主要顧客は、筆頭株主であるNEC<6701>グループ向けが約4割を占め、NTT<9432>グループ、JR東日本<9020>グループ、三菱商事<8058>グループ、日本ヒューレット・パッカードなどが続いている。NECと連携して医療分野や流通・サービス業分野へ事業領域を広げ、ERP(統合業務パッケージ)関連やセキュリティ関連も強化している。

 中期経営計画「3Frontiers!」では、目標数値として15年3月期売上高180億円、経常利益5億円を掲げ、事業領域拡大や成長分野開拓を推進している。

 なお1月8日に経済産業省「平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業」の「職場における健康投資に関する効果指標および投資環境整備(健康データのオープン化・小規模事業所)」に、フジクラ<5803>が代表団体として選出され、職域健康投資コンソーシアムとして当社が参画すると発表した。また1月15日には、総務省「新たなワークスタイルの実現に資するテレワークモデルの実証」プロジェクトにモデル企業として選ばれ、15年1月から実証を開始したと発表している。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月14日公表)は売上高が前期比4.7%増の180億円、営業利益は非開示、経常利益が同36.2%増の5億円、純利益が同70.8%増の4億10百万円、配当予想が前期と同額の年間10円(期末一括)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は前年同期比9.0%減収で、営業利益、経常利益、純利益とも赤字に転落した。前年同期の特需一巡、不採算プロジェクトの発生、一部開発案件の延期・凍結などが影響した。しかし通期ベースでは新規案件の受注拡大、売上総利益率の改善、販管費の削減などの効果で挽回が期待される。

 中期的には、15年から本格化するマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)導入関連のシステム投資、国・地方を通じた行政情報システムの改革、さらに20年東京夏季五輪に向けたインフラ投資などで受注拡大が予想され、収益は改善基調だろう。

 株価の動きを見ると、12月25日の安値440円から急反発して1月8日には550円まで戻した。その後も概ね500円近辺で推移している。調整が一巡したようだ。

 1月16日の終値495円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円43銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS705円93銭で算出)は0.7倍近辺である。

 日足チャートで見ると、25日移動平均線を突破して下値を支える形となった。また週足チャートで見ると、13週移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡して強基調に転換する動きだ。収益改善期待で出直り展開だろう。

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