【編集長の視点】セレスは株式分割権利落ち後安値から急反発、今期業績開示を先取りして下げ過ぎ訂正

編集長の視点

セレス<3696>(東マ)は、29円高の985円と6営業日ぶりに急反発して始まり、前週末16日ザラ場につけた株式分割の権利落ち後安値944円から底上げしている。同社株は目下、前2014年12月期決算を集計中で、2月中旬にも発表予定にあるが、続く今2015年12月期業績についても大幅続伸・連続の過去最高純利益更新の観測が強く、下げ過ぎとして直近IPO(新規株式公開)株人気を再燃させている。株価水準そのものが、株式分割を勘案して昨年10月のIPO時の公開価格1860円にほぼ横並びとなっていることも、底値確認のフォローの材料視されている。

■ポイントサイトの会員数が急増し求人サイトの広告掲載件数の拡大

同社の前12月期業績は、昨年10月のIPO時に売り上げ23億9900万円(前々期比2.04倍)、営業利益3億円(同91.2%増)、経常利益2億7800万円(同80.7%増)、純利益2億5700万円(同2.85倍)と大幅続伸するとともに、純利益は、前々期の過去最高を大きく更新すると予想された。この通期予想に対してIPO後の初決算となった昨年11月に開示された前期第3四半期(3Q)業績の進捗率は、売り上げが目安の75%をクリアし、営業利益が83.9%、経常利益が86.4%と大きく伸びた。主力のポイントサイト「モッピー」の会員数が、プロモーション手法の改善やスマートフォン版の会員数の拡大で、IPO時の154万人から169万人に増加し、採用課金型のアルバイト求人サイト「モッピージョブ」の広告掲載件数が、1.9倍の約2万9000件と大幅増となったことなどが寄与した。

この会員数の拡大から続く今12月期業績の続伸も有力視され、昨年11月に日本経済新聞は、今期売り上げを前期推定比38%増の33億円前後、営業利益を同60%増の4億8000万円前後と観測報道した。また、東洋経済会社四季報の最新号も、業績続伸を予想、今期純利益を2億8000万円の連続過去最高更新と見通している。2月中旬予定の決算発表が待たれることになる。

■落ち後の実質公開価格確認で直近IPO株人気を再燃させ第2段上げ相場に再発進

株価は、昨年10月にIPOされ公開価格を55%上回る2890円で初値をつけ、即ストップ高の上場来高値3390円まで買い進まれ、2125円まで調整したが、3Q好決算と今期業績の大幅続伸観測で2884円の戻り高値をつけ、2061円で株式分割(1対2)の権利を落とした。権利落ち後は、落ち妥当水準の1000円台を固め、前週末は全般相場の急落とともに落ち後安値まで下ぶれた。実質の公開価格確認から直近IPO株人気を再燃させ第2段上げ相場に再発進、一段の底上げにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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