【中期経営計画でみる株価】ティー・ワイ・オーは得意のテレビ広告事業に新たに「PR事業」参戦、中期計画目標は上回りの可能性

■株価は中期絶好の買い場

 ティー・ワイ・オー<4358>(東1・100株)は、2013年に策定した中期経営計画において2018年7月期に売上500億円(12年7月期で約241億円)を目指しているが、達成に向かって着実に進んでいる。前期・15年7月期で売上283億9300万円、営業利益は過去最高を挙げている。今期・16年7月期は売上300億円の見通しで18年3月期の売上500億円は確実な見通し。株価は昨年暮れに248円と上伸、今期の減益見通しから今年2月に138円まで調整した。足元では膨らんでいた信用買残の整理が進み170円を挟んだモミ合いで下値を固めている。

 2013年9月に3つの目指す方針を明らかにした。(1)メディア取引を行わずクリェイティブ・エージェンシーとなることを目指す(広告主と消費者との関係構築にクリェイティブを通じて貢献する)、(2)メディアを扱う広告代理店と共存・並存関係となるビジネスモデルの構築を目指す、(3)5年後(2018年)に売上高500億円規模の企業体となることを目指す、という内容。

 現在、広告代理店経由モデル(テレビCM事業)と、広告主直接モデル(マーケティング・コミュニケーション事業)の2つのビジネスモデルを展開している。去る、6月10日には、新規に「PR事業」を開始すると発表した。国内における広告主直接取引では多くの実績を持ち、近年では大手企業からの媒体を跨いだ一括案件受注が増えている。一方、クライアントからの引き合いが多いPR業務については機能を持っていないことからグループ内においてPR事業を開始し同社の持っているクリエイティブ・エージェンシーとしてのコンテンツ想像力と、PR事業を融合させ圧倒的な競争力を確立する。PR事業は中期的に売上30億円、営業利益3億円を目指している。

 前期・2015年7月期で営業利益18億8400万円(前期比10.0%)と過去最高を挙げた。今7月期は売上5.7%増の300億円に対し、営業利益はインドネシア立上げの先行投資負担から20.4%減の15億円の見通し。EPS11.5円、配当は年5.0円の見通し。

 2020年のオリンピックに向け事業環境はよく、海外の強化、さらに、今回のPR事業への進出などで売上500億円達成からいっそうの伸長が期待できそうだ。営業利益率7.0%とみれば18年3月期の営業利益は21億円(今期予想比40%増)が予想される。EPSも約20円近くが予想され、配当も年7円ていどが期待できるだろう。

 下値が固まり、昨年末高値に対し6.5合目に位置する160円台は7月の配当取りで中期好買い場といえる。

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