【編集長の視点】ツバキ・ナカシマは上場来安値から急反発、中間配当の権利取りが再燃し連続最高予想業績もフォロー
- 2016/6/27 09:52
- 編集長の視点
ツバキ・ナカシマ<6464>(東1)は、68円高の1309円と急反発して始まり、前週末24日後場取引時間中につけた上場来安値1210円からの底上げを鮮明化している。きょう27日が、同社の今12月期の中間配当の権利付き最終日に当たっており、東証第1部配当利回りランキングのトップ30位にランクインしていることを見直し配当権利取りの買い物が再燃している。今2016年12月期業績も、今年5月9日に発表した今期第1四半期(1Q)決算が減益転換したもののこれで底打ち、12月通期業績を連続の過去最高更新と予想していることも、フォローの材料視されている。
■今期配当は連結配当性向50%と利益還元を積極化し年間63円に大幅増配
同社の今期配当は、株主への利益還元を経営の最重要課題として連結配当性向の目標を50%に定め、これに従って年間配当を63円(前期実績33円)に大幅増配、中間配当を30円として実施する。年間配当利回りは、4.81%と東証第1部配当ランキングの第24位にランクされ、きょう権利付き最終日の配当権利取りでは所有期間利回りはさらに好転する。
この大幅増配の前提となる今12月期業績は、売り上げ392億円(前期比0.1%増)、営業利益76億円(同6.9%増)、税引前利益69億円(同8.5%増)、純利益50億円(同11.7%増)と予想し、売り上げ、営業利益、純利益は前期に続き過去最高を更新する。為替レートを1ドル=115円(前期実績121.05円)、1人民元=17.5円(同19.22円)と円高に想定し、工作機械需要も伸び悩んでいるが、アジア市場向けの拡販、新規事業のセラミックボールの開拓などの販売イニシアチブでカバーする。
今期1Q業績は、前年同期比9.7%減収、17.2%営業減益、36.1%税引前利益減益、36.1%純益減益と減収減益転換して着地したが、想定通りで底打ち感があり、第2四半期(2Q)以降にプラスに向かう見込みとして12月期通期業績は、期初予想を据え置いた。8月3日には、今期2Q累計決算の発表を予定しており、ここで好業績を確認することになる。
■PERは10倍台で25日線からも9%超のマイナスかい離と下げ過ぎ歴然
株価は、昨年12月に公開価格1550円で再上場され、1620円で初値をつけ、上場来高値1804円まで買い進まれたが、その後は、1200円台を下値限界、1600円を上値とするボックス展開が続き、前週末24日には英国の国民投票によるEU(欧州連合)離脱が決まったことによるショック安相場に巻き込まれて最安値まで突っ込み下値を再確認した。配当利回りの4.81%を筆頭にPERは10倍台、25日移動平均線からは9.1%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、インカムゲイン狙いのほかまず公開価格奪回を目指す値幅効果も期待できそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)