【どう見るこの相場】英国のEU離脱決定で何が起きるか?

■今後の最大の注目点は『米国のグロバル残留か離脱か』、結果次第で世界の枠組みは激変も

<Q>イギリスのEU離脱決定は一国の問題ではなくなってきたと思われるが。

<A>確かに、一つの国の問題ではなく地球儀的な問題といえる。大国という視点に焦点を当ててみるなら、軍事、経済で第1位のアメリカがどううごくか、次いで第2位の中国がどう動くかという点が一番の注目点だろう。この2大々国の動きによって先行きの世界の姿はそうとう変わってくることになるだろう。この点の含みがNYダウ、日経平均に大きく影響してくる。

<Q>アメリカはどう動くだろうか。

<A>ひとことで言うなら、アメリカは、『グローバル体制に残留か離脱か』ということだろう。この結果によって、中国の出方は大きく変わってくると思われる。仮に、11月の大統領選挙でトランプ候補が大統領に就任すればグローバルからの離脱が濃厚となってくるだろう。ただ、それでよいのだろうかという反対の意見がアメリカ国内で高まることも予想されトランプ大統領にはならない可能性はあるだろう。今後のイギリス経済はEU離脱によってそうとうの痛手が予想されている。イギリス国民の中に離脱に対する反省ムードもかなり高まっているようだ。このことが、残り5カ月となったアメリカ大統領選挙に対しかなりのプレッシャーになると思われる。

<Q>もう一つの大国、中国はどう動くことが予想されるか。

<A>もともと中国は世界支配の野望を持っている。南シナ海で強引に海洋進出を図っていることからみても、今回のヨーロッパの混乱はチャンスと捉えているのではないか。仮に、EUが崩壊すれば中国が欧州に勢力を伸ばしてくることはまず間違いないだろう。場合によればイギリスに華を持たせてヨーロッパ拡大の足がかりとすることも予想される。

<Q>世界の枠組みが変わるかもしれない大きい問題だね。

<A>今回の件はイギリス一国の問題ではなく世界に影響を与える歴史的な問題といえる。これまで、中国はアメリカに対し、米中で世界をコントロールしよう、言い方を変えれば支配しようと言ってるのだから、今後、今回の問題をキッカケに新興国等を巻き込んだ陣取り合戦に発展する可能性はあるだろう。

<Q>相場的には、どう見れがいいか。

<A>イギリスの今後の動きやEU27カ国の動きが重要であることは変わりないが、やはり、11月の大統領選挙によって、アメリカが、『グローバル残留か離脱か』ということが最大の注目点だろう。その結果によって中国の出方も変わってくる。まだ、11月まで5カ月の余裕があるのでアメリカの世論の動きに注意しておくことが相場的には大切といえる。短期的にはNYダウ、日経平均とも下値調べの展開とみられる。その中で、アメリカ世論にグローバル残留の雰囲気が強まれば上値を追うものとみられる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る