【村山貢司の気象&経済歳時記】訪日外国人の推移に見るアジア経済

 6月下旬に仕事を兼ねて台湾を回って来た。台北周辺は多くの日本人観光客で溢れ、円高傾向になったこともあり免税店では爆買いまでいかないが買い物客でにぎわっていた。台湾は共働きの家庭が多く、早朝から営業している飲食店やコンビニが非常に多い町である。日本人には近くて、食事も口にあい、人気上位の外国である。

 一方、2015年に台湾から日本を訪れた人数はおよそ368万人、2014年に比較しておよそ30%も増加した。しかし、ここへきて台湾を始めアジアからの訪日数の伸び率が急激に低下している。2016年の1月から5月までの訪日外国人数は、合計でおよそ973万人、前年比で29%の伸び率になっている。このまま推移すれば2016年中に2000万人を超えるのは確実に思えるのだが、気になるのが月別の伸び率が急激に低下していることである。1月は前年比で52%の増加であったが、3月は31.7%、5月は15.3%に下がっている。台湾の伸び率は5月に10.5%、タイは4.8%に低下し、特に韓国はマイナス4.2%と前年割れなってしまった。

 2015年以前の月別の伸び率からは、この数字が季節的な要因でないことは明らかである。現在の国内消費は訪日外国人に支えられている部分が少なからずあり、この伸び率の低下がアジア経済の低迷でなければよいのだが。(村山貢司=気象予報士・経済評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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