【編集長の視点】やまみは超割安直近IPO株買いが再燃し配当催促買いもオンして反発
- 2016/7/6 09:54
- 編集長の視点
やまみ<2820>(JQS)は、17円高の1535円と反発して始まり、きょう6日に日経平均株価が、322円安と急続落してスタートしているなかで逆行高展開をしている。同社株は、今年6月17日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」による株価急落に巻き込まれて6月24日に上場来安値1371円にまで突っ込んだが、IPO後の初決算で現在集計作業に入っている2016年6月期業績が大幅増益と予想されていることを見直し、内需系株人気を高め超割安直近IPO株買いが再燃している。6月期配当も、IPO時に未定としたものの実施予定としており、配当催促の買い物も交錯している。
■製品ラインアップの充実や生産設備の増強が奏功し原油安恩恵もオン
同社の目下集計中の2016年6月期業績は、IPO時に売り上げ95億5800万円(前期比5.2%増)、営業利益11億3800万円(同2.64倍)、経常利益11億2600万円(同2.68倍)、純利益7億100万円(同2.03倍)と予想された。同社は、豆腐やその関連製品の厚揚げ、油揚げなどの製造・販売をする食品メーカーで、消費者ニーズの高まりに対応して「切れてる豆腐」、「刻み揚げ」などの製品ラインアップを充実させ、本社工場や2012年8月に建設した関西工場の製造ラインを増強して関西・中京地区の新規顧客獲得に注力、原材料大豆については国産大豆から外国産大豆のウエートを上げ、原油価格の下落で水道光熱費負担が軽減されたことなどが寄与する。
配当については、株主への利益還元は経営上の重要課題と認識し実施を予定しているが、具体的な配当金はIPO時には未定としていた。前2015年6月期は、年間25.5円として実施しており、配当期待を高めている。
■PER10倍の割安修正で「半値戻し」水準の三角保ち合いを上放れ最高値奪回有望
株価は、公開価格1690円でIPOされ1751円で初値をつけ、上場来高値1790円へ上ぶれ、公開価格水準でのもみ合いとなったが、「EU離脱ショック」で上場来安値1371円へ突っ込み、下げ過ぎとして最高値から最安値までの調整幅の半値戻しをクリアして三角保ち合いを続けてきた。PERは10倍台と超割安でなお下げ過ぎを示唆しており、三角保ち合いを上放れ相場格言の「半値戻しは全値戻し」にトライして最高値奪回が加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)