【編集長の視点】ジェイリースは連続最高業績を手掛かりに割安直近IPO株買いが再燃して反発

 ジェイリース<7187>(東マ)は、45円高の3700円と反発して始まっている。同社株は、今年6月22日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、今3月期業績が、2ケタの増収益で連続して過去最高更新と予想されていることを手掛かりに割安直近IPO株買いが再燃している。成長戦略として首都圏の営業を強化するため今年7月1日に横浜支店と埼玉支店を揃って新規開設したことも、業績期待を高めている。

■横浜・埼玉支店開設で首都圏の1都県1拠点体制が確立し改正民法施行の追い風も

 同社は、2004年2月に大分県大分市で設立され家賃債務保証サービス事業を展開しており、きめ細かい地域密着型で積み上げた実績に基づき、利用者の多様なニーズに対応して一括支払型、毎年支払型、毎月支払型などの商品プランを充実させている。事業環境も、単身者世帯の増加、核家族化、晩婚化、少子・高齢化社会の進展などを背景に連帯保証人による個人保証から家賃債務保証会社による機関保証へのシフトが、利用者、不動産オーナー双方に高まるなど好転しており、さらに今年度中にも改正民法が施行される方向にあり、連帯保証人の極度額が設定されることも追い風となる。

 こうしたビジネスチャンスを捉えて同社は、九州地方から大都市圏に進出し、とくに首都圏では2011年11月に大分県と東京都の2本社制として次々と支店を開設、7月1日の横浜・埼玉支店開設で1都県1拠点体制を確立し、営業員も増強している。

 業績も、右肩上がりで高成長しており、今3月期業績は、売り上げ39億5200万円(前期比23.2%増)、営業利益3億2900万円(同59.3%増)、経常利益3億1900万円(同59.3%増)、純利益2億1300万円(同2.44倍)と予想、前期に続き過去最高を大幅に更新する。

■PERは16倍台と既上場の類似会社に比べて割安で最高値奪回に再発進

 株価は、3100円を公開価格にIPOされ、4170円で初値をつけ上場来高値4740円まで買い進まれ、英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」の波及で公開価格目前の上場来安値3190円まで突っ込んだが、横浜・埼玉支店開設を材料に即ストップ高と切り返して4500円の戻り高値までリバウンドし、足元では、最高値から最安値への調整幅の3分の1戻し水準でもみ合い、エネルギーを溜め込んでいる。PERは16倍台と既上場の類似企業やIPO株全般と比べて相対的に割安であり、初値抜けから最高値奪回へと再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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